第15話 クロースの頼み事




 失った目や足が治った仲間と喜び合うスーリオンを見守っていた俺は、落ち着いたのを見計らい声を掛けた。


「スーリオンたちに話したいことがあるんだ」


「……あの黄金に輝く箱ギフトのことか」


「あのようなギフトはみたことがない。聞いていた治癒のギフトとも違う。あれはいったい何なのだ? 」


「それもそうだけど、まずは俺の素性を説明させてくれ」


 真剣な表情を向けるスーリオンとクロースたちに、まずは俺の素性から話すことにした。


「む? リョウスケの素性? 」


「ああ、ここじゃあなんだから外の談話コーナーに移動しよう」


 俺は首をかしげるスーリオンたちに、部屋を出て病院の中央の複数のソファーを設置してある談話コーナーへと誘導した。


 それから俺の両隣にシュンランとミレイア。そしてその隣にカルラ。向かいにスーリオンたちが座ったのを見計らって俺は口を開いた。


「実は……俺は魔人のハーフではなく、こことは別の世界より女神によって遣わされた人族なんだ」


「なっ!? 女神によって遣わされただと!? ではリョウスケは勇者なのか!? 」


「なんと! まさかとは思ってはいたがリョウスケ殿が勇者だったとは! 」


 めったに心を乱さないスーリオンが驚愕の表情で声を張り上げ、隣接するソファーに腰掛けていたマグルたちも同様に驚きの声を上げた。


 スーリオンの隣に座るクロースはあまりの驚きに声も出ないのか、目を大きく見開き口を半開きにしたまま俺を見つめている。


「違う。女神によってこの世界に飛ば……遣わされたが勇者じゃない。俺はこの世界を救うなんて使命は受けてないからな。俺はただこの世界に、俺のいた世界と同じ家というか部屋を女神のために作るように言われただけだ」


「世界を救うのではなく女神の家を作るためということか? 」


 俺の説明にスーリオンは理解できないと言った顔で聞き返して来る。


「ああ、そのために部屋を作るギフトや神器を女神に与えられた。それを使ってマンションとこの病院を作ったというわけだ」


「部屋を作るギフト? あのマンションや病院は大地のギフトと魔導技術で作ったではなかったのか? 」


「あ……だから一晩で建物が……」


「ああ、全てギフトで創造した。スーリオンたちの怪我を治療したのもそのギフトの能力の応用だ。これは……」


 俺は驚くスーリオンとクロースにそう言ったあと、続けて原状回復のギフトの説明をした。



「1か月住めば設備として認識されるか……」


「つ、つまり兄上たちはこの病院の設備としてギフトに認識されたから、元の身体に戻せたというのか? 」


「そうだ。治癒のギフトのようにすぐには治せないけどな。まあだから入院をしてもらったというわけだ」


 なんとか理解しようと努めているスーリオンとクロースたちに、俺は少しおどけながら答えた。


 そんな俺に続くように、シュンランの隣に座っていたカルラが口を開いた。


「まっ! そういうこった! だから大丈夫だって言ったろ? アタシも最初は驚いたけどよ。なんたって女神の使命を果たすために与えられたギフトだ。こんくらいできてもおかしくねえさ」


「それは……確かにそうだな。だがしかし驚いた……ギフトもそうだが、まさかリョウスケが勇者と同じ存在であったとはな」


「うむ。勇者と敵対した我らがその勇者と同じ存在に助けられるとはな」


「俺は700年前に現れた勇者とは別人だ。ダークエルフが先代の魔王を守るために、勇者と敵対したからといって俺には関係のない話だ。俺はただ女神の家を作るためだけにこの世界にきた、ただの宿屋の店主だよ」


 俺は難しい顔をして悩み始めたスーリオンやマグルたちに、勇者とは別人で目的も違うことを改めて強調した。


 そもそも勇者は顔見知りでもなんでもないしな。俺が生れる遥か昔の古代中国からこの世界に来た勇者なんて知ったことか。


「兄上。リョウスケが言うように、勇者とは別の存在なのですから過去のことを持ち出しても困らせるだけでは? 」


「そうだな……色々混乱しているが、まずはリョウスケ。そのような重大なことを話してくれてありがとう。そして我らを救ってくれたこと。改めて礼を言いたい」


 クロースの言葉にスーリオンとマグルたちは改めて頭を下げた。


「どういたしまして。それでなんだが、スーリオンの腕を失った経緯を知りたいんだが……やはり話せないか? 」


「…………すまぬ。我らの問題ゆえ」


「そうか……わかった。もう聞かない」


 駄目か。何か力になれればと思ったが、まあ話したくないなら仕方ない。


「すまぬな……」


「いいさ。言いたくない事は俺にもある。ああ、そうそう。俺の素性やギフトのことは秘密で頼むよ。教会とかに知られると困るからさ」


 俺は申し訳なさそうにしているスーリオンに、笑みを浮かべながらそう口止めをした。


「もちろんだ。誰にもリョウスケの役目を邪魔はさせぬ」


「ありがとう。さて、治療も終わったしもう帰るかな」


 そう言ってソファーから立ち上がった。


 そんな俺に続いてシュンランとミレイアにカルラも立ち上がり、それを見たスーリオンとマグルたちも立ち上がろうとした。しかしまだ治ったばかりだから無理をするなと言って座らせ、俺たちは病院を出た。



「治療が成功して良かったな」


 病院から出てマンションに繋がる扉に向かう途中。


 シュンランが安心した表情で治療が成功して良かったと口にした。


「ああ、バランスを取り戻すのにあと数日は掛かるだろうけどね」


 ずっと片目や片腕や片足で生活してたんだ。両足がなくまったく歩けなかったシュンランとミレイアとは状況が違う。慣れるのに数日は掛かるだろう。


「でもよ。腕を失った理由を話してくれたって良かったと思うんだよな。アタシが聞いてもずっと口をつぐんでたし、ちょっと知りたかったぜ」


 カルラが両手を頭の後ろで組み、つまらなさそうに呟いた。


 カルラはちょこちょこスーリオンのところに行っていたからな。俺より一緒にいた時間は長かったはずだ。そのカルラでも聞き出せなかったんだから、本当に話す気はないのだろう。


「アイツのことだ。俺たちを巻き込みたくないんだろう」


 ほぼほぼデーモン族にやられたことは確定している。その理由を聞いて俺が何かするかも知れないと思ったのかも知れない。


「でも……また腕を失うことが起こるかもしれません。もしかしたら命も……」


「そうなんだよなぁ。それが心配なんだよな」


 もしデーモン族のあの治癒が遅くなる呪いみたいな闇魔法で胸を貫かれたら……ここに来るまでに命を失うだろう。そうなってからじゃ遅いんだよな。


 なんとかしてやりたいな。


 そんな事を考えながらマンションの敷地に繋がる扉を開けようとした時だった。


「リョウスケ! 」


 背後からクロースの声が聞こえたので振り向くと、彼女が病院からこちらに走って向かってくる姿が見えた。


「どうしたんだクロース? 」


「ハァハァ……いや、その……兄上と仲間の治療をしてくれた事をな。ちゃんと礼を言おうと思って……ありがとうリョウスケ」


 俺の前で立ち止まったクロースは、頬をかいて少し照れながら俺へと感謝の言葉を口にした。


「どういたしまして。元気になったスーリオンを見れて良かったよ」


「ありがとう。それとその……兄上のことなのだが……腕を失った時のことを話せないのは許して欲しい。兄上はリョウスケにこれ以上迷惑をかけたくないのだ」


「やっぱりか。迷惑だなんて思わないのにな。俺はまた同じ目に遭わないか心配なんだよ」


 申し訳無さそうにスーリオンをフォローするクロースに、俺はため息を吐きながらそう答えた。


「私も心配だ。だから……リョウスケに頼みがある。どうか私たちを助けて欲しい」


「わかった助ける。その前に何があったのか教えてくれないか? それがどんな内容の話でも、俺はスーリオンとクロースたちを助ける事を約束する」


「リョウスケ……私を助けるためにそこまで……わかった話そう。実は……」


 クロースがまた何か思い違いをしているような気がしたが、俺はそれをスルーして彼女からスーリオンが腕を失った経緯を聞くことにした。


 その内容は俺の予想していた通り税に関するものだった。


 あの日。魔国にある里に帰ったスーリオンたちは、里の長老にそれまで稼いだ金を渡しデーモン族の徴税官がやって来るのを待っていたそうだ。


 そして兵士を連れて徴税官がやってきて、無事税の支払いを終えた時だった。その徴税官が突然来年度から増税をすることを通告して来たそうだ。そのうえ新しい砦建設の労役に、追加で里の人間を出すようにも命じて来た。


 それに対してたまらずスーリオンと里の者たちが抵抗した。


 それはそうだ。


 スーリオンの里は全部で300人ほどダークエルフがいるが、その中で森に稼ぎに出れるのは50人ほどしかいない。なぜそんなに少ないかというと、スーリオンたちより重度の四肢の欠損をしている者や、年寄りや子供。そして男手が少なくなった里を守るために、女性は森には入らせないようにしているからだそうだ。女性が森に入れないのは種の存続のためというのもある。ただでさえ男が少ないらしいからな。


 クロースは特殊で、スーリオンが片腕になった時に長老に頼み込んでついて行くようになったそうだ。


 これはスーリオンの所属する里以外の里も同じような状況らしい。ちなみにダークエルフの里は全部で10ほどあり、それぞれ里の場所が結構離れているそうだ。反乱防止のためだろうな。


 そもそもデーモン属の領地の中で一番痩せた土地に里があるダークエルフたちは、滅びの森で狩りをしないと生計が立たない。それなのに重税がのし掛かってきていて、どの里も貧困にあえいでいると聞いた。


 そこに更に増税と、森に入れる者を砦の建設に駆り出すなどと言われれば抵抗しない方がおかしい。


 しかしこれまでダークエルフを奴隷のように扱ってきたデーモン族が、抵抗されたからとはいそうですねと言うはずもなく、見せしめとして先頭を切って反抗していたスーリオンが残りの腕を切断された。


 そして徴税官は文句があるならいつでもこの土地から出ていっても構わないと、そう高笑いをして次の里に向かったそうだ。


「ふざけやがって……」


 クロースからことの経緯を聞き終えた俺は、拳を握りしめながらそう呟いた。


 700年前の勇者との戦いで、裏切ること無く最後まで一緒に戦ったダークエルフになんて仕打ちをしやがるんだ。これじゃあ奴隷と同じじゃねえか。何が魔国は奴隷制度を廃止しただ? 制度はなくても帝国とやってることの何が違うっていうんだ?


「故郷の森を失った私たちは従うしかないのだ。どこにも行くところが無いのだからな」


「竜人族に言って……って仲が悪いんだったか」


 700年前の大戦でダークエルフは先代魔王とともに勇者が率いる人族と獣人族。そして竜人族と最後まで戦った。その際に多くの竜人族を手に掛け、そして未だにデーモン族に味方している。


 戦後も竜人族との小競り合いに何度も駆り出されたって前にスーリオンが言ってたっけ。


「つい500年前まではデーモン族と竜人族で内戦があり敵対していた。そんな私たちを助けてなどくれないさ」


「義理を果たしただけなのにな」


「今はそんな物は微塵も残っていないがな。ただ行く場所がないだけだ」


「そりゃあそうだよな」


 こんな目にあってまで、まだ拾ってもらった恩を感じてたらドMどころの話じゃない。さすがの俺も助けようか迷うわ。


「そんな私たちをリョウスケに救って欲しいのだ。兄上の傷を治してもらったのに図々しいのは百も承知だ。だがリョウスケ以外にこの現状を救ってくれそうな人間は思いつかないのだ」


「助けると言った。だから何があっても助ける。だが何をすればいい? 」


 さすがにデーモン族の領地に乗り込むのは無理だ。ダークエルフより数が少ないのに彼らを支配しているくらいだ。Aランク相当の力はあるだろう。それが何千人もいる所に行ってダークエルフを救うことなんてできるとも思えない。今の俺には勇者のような力はまだないし、一緒に戦ってくれる兵もいない。


「来年の税をいくらか負担して欲しい。来年以降なら、労役にさえ駆り出されなければ傷が癒えた兄上たちもいるからなんとか払える。もちろん無償でとは言わない! わ、私がリョウスケの情婦となろう! この身体で一生をかけて支払う! どんなことでもする! シュンランとミレイアのように、裸にエプロンをして台所に立つしいつでも入れていい! いや、それ以上のこともやっていい! く、首輪を嵌められ四つん這いになって全裸で外を歩くとか、鞭で叩かれるとか! うっ……ハァハァ……あ、足や尻を舐めろと言われれば喜んで舐めるぞ! リョ、リョウスケの精が尽きるまで、毎日いつでもこの身体を好きにして構わない! どうだっ!? 」


「どうだじゃねえよ変態女! 」


「アイタッ! 」


 俺は足をモジモジさせながら、紅潮した顔でドヤ顔をしているクロースの額にチョップをした。


 里を救って欲しいという切実な話からなんでこうなるんだよ!


「ク、クロース! どこでそんなことを! 」


 シュンランが顔を真っ赤にして動揺している。


 そりゃあ裸エプロンでキッチンに立ってるとかバラされたら恥ずかしいよな。


「言わないって約束したのに酷いです……」


「ミレイアが話したのか! 」


「ごめんなさい。お酒が入っていたのとあまりにしつこかったので……」


 どうやらお泊り会の時にミレイアが話してしまったようだ。シュンランに怒られてシュンとしている。やっぱりエレナがいても駄目だったか。


「アッハハハハ! 相変わらず妄想が凄えな! さすがのアタシでも裸で首輪嵌めて散歩するのは抵抗あるわ」


 カルラは若干引きながらも無理やり笑い飛ばしているように見える。


「ったく、クロース。俺が借金のカタに女性を好き放題するような卑劣な男に見えるのか? そんなこと求めるわけがないだろう」


「ううっ、痛い……だが私の身体だぞ? 男なら抱きたくなるのではないのか? シュンランよりも胸は大きいしミレイアよりも尻は大きい。顔だって二人に負けてない。その私を好きにできるのだぞ? 」


「……そういうことじゃない。確かにクロースは美人だしスタイルもいいが、卑劣な真似をしてまで手に入れようとは思わない。これは男の矜持の問題だ」


 前かがみになり両手で胸を寄せるクロースの胸の谷間に一瞬視線を奪われたが、俺は強い意志を持って言い切った。


「男の矜持……やっぱりリョウスケは他の男とは違うな。さすが私が惚れ……あ、いや、んんっ……そうか。それなら仕方ないな。しかし私にはこの身体以外に対価を支払うことはできない。いったいどうすれば……」


「別に金で済む話ならいくらでも支援する。だが俺は来年だけで済むとは思わない。為政者ってのは、無理がきけば次はもっと難題を吹っかけてくるものだ」


 来年の労役が終わればと言うが、その次の年も労役がない保証はない。ダークエルフは土の精霊を使役する種族だ。土木工事をさせるのにこれほど適した者はいないだろう。


「クロース。涼介の言うとおりだ。ダークエルフを明らかに奴隷としか見ていないデーモン族の者たちは、労役の人員を増やしても来年に税が入ってくればまた次の年も同じことをさせようとするだろう」


「そうです。再来年はもっと高額の税を要求して来るかも知れません」


「デーモン族は古代から苛烈な統治をしてったって聞くしな。間違いねえと思うぜ? 」


 シュンランたちも俺と同じ考えなようだ。


 その場しのぎでは駄目だ。やはり元を断たないとこの問題は解決することはできないだろう。


 しかしその大元はデーモン族だ。それをどうにかしない事には……いや、もう一つ元があるな……他のダークエルフには悪いが、スーリオンの里だけならなんとかなるかもしれない。


「確かにそうかもしれない……だが来年の税を払わなければ、その次の年の税は確実に重くなる。デーモン族は反乱を恐れ里の女にこそ手を出さないが、男たちがもっと酷い目に遭うことになるだろう。税を払うために無理をさせられまた同胞が死んでいくことになる。その場しのぎかも知れないが、今はこうする他ないのだ」


「そんなことはない。税を払わなくていい方法がある」


 悔しそうに唇を噛みしめるクロースに、俺は余裕たっぷりにそう告げた。


「そんなことデーモン族が滅ばない限りできるわけが! ま、まさか私のためにデーモン族を!? そんなことはやめてくれ! 奴らは強い! いくら女神に遣わされた存在であるリョウスケでも死んでしまう! だから私のために戦うなんてやめてくれ! そんな事をされたら私は……ハァハァ……うくっ……せ、せめて子種だけでも私に残し……」


「戦わねえよ! というか俺を勝手に殺すな! 」


「アイタッ! 」


 俺はまた妄想を初めてモジモジしだしたクロースに再びチョップした。


 まともに話せねえ……


「クロースさん……」


「ここまで思い込めるのもスゲーよな」


「はぁ、まったくこの子は……それで涼介。どうやって税を払わなくて済むようにするのだ? 」


 俺の目の前で頭を押さえて痛みを堪えているクロースへ、ミレイアとカルラとともに残念な目を向けていたシュンランがそう尋ねてくる。


「それは後で話すよ。まずはクロース。この方法は里の責任者が決断しないとできないから、明日にでもスーリオンと里に戻って欲しい。そして長老を連れてきてくれないか? そうだな……長老が代表して連れてきてくれれば、里に残っている戦えない人たちも治すと伝えてくれ。疑うようなら俺の素性を話しても構わない」


「里の者たちも治してくれるのか!? それなら長老も来るとは思うが……だが長老と会うということは、やはりデーモン族と一戦を? 」


「戦わないって言ったろ? いいから俺を信じてくれ。必ずクロースの里の人たちを救ってみせるから」


「私を……わ、わかった! 兄上に話してくる! その……信じてるぞリョウスケ」


「信じていいぞクロース」


 俺がそう答えるとクロースは満面の笑みを浮かべながら病院へと走っていった。


 その顔は本当に可愛くて、中身がアレじゃなければ心奪われていたかもしれないほどだった。


「フフッ、あんなに嬉しそうにして可愛い子だ」


「うふふ、心から涼介さんを信じているんですね」


「言葉が通じないけどな」


「恋をした女は自分に都合の良いように受け取るものだ」


「クロースさんて本当にわかりやすいですよね」


「あはは、確かにアタシ並にストレートだよな」


「クロースが俺に恋? あれはそういうんじゃないと思うけどな」


 俺は肩をすくめて微笑むシュンランたちに答えた。


 確かにあんな変態女は初めてだが、煩悩を満たす対象としか俺を見ていない気がする。


「その辺はいくら女の扱いが上手い涼介でも男だということだな」


「どういう意味だ? 」


「ククク、なんでもない。それよりこれからどうするのだ? 」


「ああ、まずは家に戻ろう。そこで詳細を話すよ」


 俺はそう言ってシュンランたちを連れて家へと向かった。


 さて、我ながらとんでもないことを思いついちゃたけど、友人がその身を差し出そうとしてまで助けを求めてきたんだ。それに応えないなんて男じゃないしな。


 責任は重大だがやるしかないだろ。



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