第34話 レベルアップの条件



 神器が進化したあと、倍以上の長さになったスケールと消えるペングニルの練習をしつつ我が家であるフジワラマンションへと戻ってきた。


 それから帰りを待っていてくれた二人にただいまのキスをしたあと、シャワーを浴びて疲れたから先に休むと言ってベッドの入った。


 最初はレベルアップが楽しみでなかなか眠れないかと思ったが、ここ最近昼に夜にと忙しくかなり疲れていたこともあり、意外とすぐに寝付くことができた。


 そしてしばらくした頃。



 ぐっ……よしきたっ!


 突然痛み出した身体に俺は内心歓喜していた。


 マゾに目覚めたというわけじゃない。この痛みが推定レベル40になった証だからだ。


 頼むぞ、落雷特約付いてくれよ?


 俺はそう願いながら痛みに耐えていた。


 それから数十分後。


 それまで俺を身体を襲っていた痛みが引いた。


 そして祈るような気持ちで火災保険のギフトを意識した。すると特約が脳裏に浮かんだ。


 そこには風害・水害特約の後に『落雷特約』と書かれていた。


「よしっ! よしよしよしっ!! 」


 俺は起き上がって両拳を握りしめ叫んだ。


 やった! 予想した通りだ! そうだよな! 火災保険なんだから台風と落雷に対応してなきゃおかしいよな! 


 これでやっとミレイアと一つになれる。彼女がベッドで俺に電撃を放った時のあの悲しい顔をもう見なくて済む。


 火災保険が家じゃなく俺の身体が保険の対象で本当に良かった。ナイスだフローディア! 


 俺はガッツポーズを取りながら、適当にギフトを設定した女神に感謝するのだった。



 そして翌日。


 いつものように朝練と弁当販売を終え、退去立ち合いに受付にと忙しい日中を過ごした。


 カルラとダリアたちが街に戻って十日以上経つがまだ戻って来ていない。この間やってきた南街のハンターから、カルラから遅くなるという伝言を聞いているから心配はしていない。ダリアも久しぶりに街に戻ったわけだし、ゆっくりしてしてるんだろう。


 そして夕方になり門を閉め夕食をとった後、シュンランとミレイアに今日は狩りを休むと言って久しぶりに3人でお風呂に入った。


 お風呂で汗を流してまた汗をかいてと色々とスッキリしたあと、俺たちはリビングでバスローブ姿のまま三人でくつろいでいた。


 俺とシュンランが葡萄酒を片手に飲んでいる横では、ミレイアは本を読んでいる。


 この本は恋愛物の本で、人族の街でサラに買ってきてもらったものだ。シリーズ物で全10巻あるので、最近ミレイアは夜にいつも読んでいる。


 その姿を見てサラに頼んでよかったなと思えた。


 ミレイアは最初遠慮してたけどな。印刷技術の無いこの世界で本は高い物だからだろう。でもこんな娯楽のない場所に住まわせているんだ。二人には遠慮せず欲しい物は好きなだけ買っていいと伝えた。


 それからというもの、シュンランも人族や獣人族の街で武術の本を買ってきてもらったようだ。


 そのほかにも二人は可愛い小物を集めているみたいで、彼女たちの部屋に行くと色んな小物が飾ってある。


 俺はというと、二人に着せる可愛い服や下着ばっかりカルラとベラに頼んで買ってきてもらっている。最近はシュンランには深いスリットの入ったチャイナドレスと、ミレイアにはメイド服を着せてするのにハマってる。


 そんなことを考えながら俺はシュンランに注いでもらった葡萄酒を飲み干し、そろそろ寝ようかと言ってそれぞれの部屋に戻った。


 そして数分後。俺はミレイアの部屋へと向かった。


「ミレイア、入っていい? 」


『は、はいっ! 』


 ミレイアの部屋のドアを開けると、彼女はパジャマに着替え終えたところだった。


 パジャマといってもシルクのような生地の薄手の白いワンピースで、貴族の女性が着るような上等な物だ。それを特別に丈を短くしてもらった物を二人にプレゼントした。


 俺はパジャマを押し上げる巨大な胸と、それによって丈が更に短くなり丸見えになっている白い太もも。そしてそこから見えそうで見えないミレイアのパンツに一気にペニグルに血が集まった。


 俺はゆっくりと俺が来た目的を察し、顔を赤らめて恥ずかしそうに立っているミレイアに近づいて抱きしめ耳元で囁いた。


「今夜は最後までしたいんだ。いい? 」


「は、はひっ! わ、私も涼介さんに抱いて欲しいです……けど……」


「今夜は大丈夫だから。自信があるんだ」


 俺はまた雷撃を放ってしまうかもしれないと、不安そうにしているミレイアにそう答えキスをした。


「あ……んっ……今度こそ抱いてもらえるようにがんばります」


「頑張らなくていい。俺に任せて」


 俺はそういってミレイアを抱き抱え、彼女のベッドへと寝かせた。


 そして再び舌を絡めた濃厚なキスをしながら、パジャマの中に手を伸ばしその白くて張りのある胸を揉みしだいた。


 それから徐々に太ももへと手を伸ばすと、ミレイアは閉じていた足をゆっくりと開いて受け入れてくれた。


「んふっ……あ……りょうふけ……さ……んっ……あっ……そこ……気持……ちいい……です」


 ショーツの紐をほどき直接触る俺にミレイアは腰を浮かし、身を何度も小刻みにひねった。その姿はもっともっとと、全身でねだっているいるように見える。


 彼女はそんな自分をいつも恥ずかしがっているが、俺からしてみればこれほど触り甲斐のある子はいない。


 俺はビッショリとなった自分の手の感触に、準備が整ったと思いミレイアのパジャマを全て脱がした。そして俺も着ていたバスローブを脱ぎ、彼女に覆い被さった。


「ミレイア愛してる」


「あ……私も涼介さんを愛してます。今日こそは抑えてみせますから……私を涼介さんのものにしてください」


「大丈夫だよ。雷撃に俺は負けないから」


 俺はそういって目を潤ませるミレイアにキスをしながら腰を前に押し出した。


 その瞬間。


「あ……ひっ!! 」


 バリバリバリ!


 ミレイアの全身が光り雷が発生した。


 が、俺の身体は痺れない。もちろんペニグルは元気一杯のままだ。


 よしっ! 効いてる効いてる! 落雷特約グッジョブ!


「あっ! ごめんなさいやっぱり……ひっ! 涼介さん止められないんです! もうこれ以上はやめ……」


「大丈夫だミレイア。ミレイアと繋がるためならこれくらいどうってことない。いいから力を抜いて」


 俺は尚も身体から雷を発生させ、泣きながら両手で押しのけようとするミレイアに涼しい顔をしながら腰を一気に押し出した。


「あっ、痛っ! りょ、涼介さん!? なん……で……」


「前に言ったろ? ミレイアが雷撃を放っても大丈夫なようにするって。そして必ずそのトラウマから救ってみせるって。ほら、もう全部……やっと繋がれたよ」


 俺は驚くミレイアにそう言って下を見るようにいった。


「あ……ああ……本当に……りょうすけ……さんと……わたし……わたし……ううっ……嬉しい……」


「待たせてごめんな。これからはずっとこうして愛しあえるから」


 ミレイアは今まで俺を押しのけようとしていた両腕を首に巻き付け、そして泣き出した。俺はそんなミレイアにもうトラウマなんて気にすることはないと。そう気持ちを込めながら彼女の頭を優しく撫でた。


「はい……いっぱい……してください」


 ミレイアは涙を拭いながら、恥ずかしそうに。でもとても嬉しそうにそう口にした。


「ああ、今までできなかった分もいっぱい愛し合おう」


 そんな彼女に胸がキュンとした俺は、腰を前後に動かし始めた。


 が、数回動かした所でミレイアにサキュバスの血が入っていることを身をもって知ることになった。


 ぐっ……なんだこれ!? このウネウネと動いて包み込むような感覚……


 まさかミミズ千匹ってやつか? 


 うっ、なんて気持ちいんだ……このままじゃ……くっ……駄目だ! シュンランの時の二の舞だけは避けなければ!


 俺はぺニグル全体を包み込み、奥へ奥へと引っ張ろうとする感触に負けそうになりながらも、早いと思われないようゆっくり動いて耐えるのだった。



 そして翌朝。


 ミレイアにキスで起こされ、俺はシュンランと朝の稽古に向かった。


 そしていつもの様に弁当販売を終え一人で受付の業務を行い、時たま鼻歌を歌いながら清掃をしているミレイアを眺めていた。朝からミレイアはずっと上機嫌だ。


 シュンランも昨夜のことをミレイアから聞いたようで、嬉しそうな表情でよく頑張ったなと俺を褒めていた。


 そんな一日を終え門を閉めた俺は、夕方からシュンランとミレイアを夜の狩りに誘った。


 ミレイアがレベルアップするか確認するためだ。


 俺が狩りに行こうと誘うと、シュンランはすごく嬉しそうだった。


 彼女はこの十日間。ベッドで愛し合った後に、あとどれくらいで確かめたいことがわかるのだと何度も確認してきていたしな。その都度もう少しだからとお願いして我慢してもらっていた。


 だから今日は彼女の気の済むまで付き合おうと思う。


 しかしレベルアップして体力が上がったシュンランは半端なかった。結局遅くまで森中を引きづり回らされることになった。


 シュンランは俺が貸した魔物探知機を首から掛け、灰狼にトレントと麻痺蜘蛛を見つけては生き生きと狩っていっていたよ。そんなシュンランを俺は途中でダウンしたミレイアを背負って必死に追いかけていた。


 部屋に戻った時はもうクタクタだった。一人で狩る方がずっと楽だって思えるくらいに。


 そして一人充実した様子のシュンランとフラフラのミレイアと一緒にお風呂に入り、俺の部屋でそのまま三人で一緒に寝ることになった。


 あれだけ狩ればシュンランはレベルアップすると思ったし、俺の立てた仮説通りミレイアがレベルアップした時に対応するためだ。


 ミレイアは体力の限界だったのか、ベッドに横になるなり早々に眠りについた。シュンランも風呂に入ってやっと疲れを実感したのか、すぐに眠ってしまった。


 俺はそんな二人を両腕に抱きしめ、寝ずに見守っていた。


 そしてそれから1時間くらいした頃。


 二人の身体が突然硬直し、表情が苦痛に歪み始めた。


 そう、二人ともだ。


「やっぱり……」


 俺は苦しむミレイアの姿を見て確信した。


 俺以外の人間は俺とえっちをするとレベルアップするということを……


 そして心の中でレベルアップとか俺の身体をゲームのような設定にしたフローディアに向けて叫んだ。


『ゲームはゲームでもエロゲーの設定かよ! 』と……





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