第23話 野営



「『千本槍』! 」


 俺は飛びかかって来た4匹の灰狼を石の槍で串刺しにした。


「お見事! 本当に発動が早いな」


「凄いですリョウスケさん。さすが勇者様です」


「いやぁ、オーガに比べればどうってことないですよ」


 俺は背にいるシュンランさんと、胸もとで毛布とロープで横抱きに固定しているミレイアさんの言葉に照れながらもそう答えた。



 オーガの群れと戦った場所から、二人を抱えながら数時間ほど西に歩いた頃。


 とうとう灰狼に見つかり戦闘になってしまった。


 5匹の灰狼が向かって来たんだけど、俺は先頭の灰狼にペングニルを投擲した後、すぐに近くの大木を背にして左右に土の壁を作って灰狼を迎え撃った。


 その結果。灰狼は正面の、しかも狭い範囲からしか俺たちに襲いかかる事ができず次々と千本槍の的となったわけだ。


 正直オーガとの戦闘からあまり精神力は回復していないので、できれば移動しつつペングニルだけで倒したかったのが本音だ。でもそれだと彼女たちを危険に晒してしまう。キツイがここは社畜生活で培った気合いと根性で乗り切るしかない。


 そんなギフトの使い過ぎによる疲労感から気怠くなった身体に喝を入れ、アンドロメダスケールを操って灰狼の魔石を回収していった。


「リョウスケ、そろそろ暗くなってきた。この辺で野営をした方がいいのではないか? 私もその……ト、トイレに行きたくてな」


「あ、あの……私も……」


「あ、気付かなくてすみません! すぐに野営する場所を探しますので! 」


 俺はそう言ってその場から離れ、駆け足で森の中を進み野営に向いている場所を探した。


 そういえばオーガから助け出した時にズボンとか汚れていなかった。だとしたらずっと我慢していたのかもしれない。


 それから5分ほど進んだ所で岩場を見つけ、俺はそこで野営をすることに決めた。岩場なら精神力を節約してドームを作れるからな。


 そして岩場の前に立ち5人は寝泊まりできるほどの大きさのドームを作った後、その隣に正面だけ開いている電話ボックス状の石のドームを建てた。次に中に石の便座と手すり兼棚になる物を作っていった。


「いま降ろしますから待っててくださいね。よっと……はい。ここがトイレです。ここに座ってこの乾いた紙と濡れた紙で拭いてください。紙はそのまま便器の中に捨ててもらって大丈夫ですから。じゃあシュンランさんから中に入りましょうか」


 トイレの横に作った棚にウェットティッシュと、それを乾かしたものを大量に置きながら彼女たちにそう説明し、シュンランさんからトイレに入るように促した。


「あ、ああ。これがトイレ……変わった形だが理にかなってはいるな」


「一瞬でこんな立派な石のおトイレを……凄いです」


「俺のいた世界のトイレです。本当はもっと良い物なんですけどね。それじゃあ荷物を下ろしましょう……はい。抱き上げますね? 」


 驚く二人にそう言ってから、シュンランさんが代わりに背負ってくれていた背嚢を下ろした。そして彼女を抱き上げ便座の上に乗せた。


 しかしここで問題が起こった。


 彼女は片手しか使えない。そして足も踏ん張ることもできないので、ズボンと恐らく紐パンであろう下着を脱ぐことは難しい。なんとか脱ぐ事に成功したとしても、再び履くのは無理だろう。そうなると迎えにきた俺に全てを見られてしまう。


「リョ、リョウスケ……その……」


 彼女もそれに気付いたのだろう。頬を染めやや下を向きながら俺の名を呼んだ。


 これはもしかして俺が脱がしたり着せないといけないのか? シュンランさんのズボンと下着を? 


 うわぁ、ミレイアさんも気付いたのか泣きそうな顔をしてるよ。


 でもやるしかない……よな。


 うん。これは介護だ。決してセクハラとかじゃない。でも変に意識すれば彼女たちが余計恥ずかしがる。絶対にエロい目で見たら駄目だ。ポーカーフェイスで行うんだ!


「大丈夫ですよシュンランさん、大きなタオルがありますから。それで隠しながらやりますんで。絶対に変なことをしないので信じてください」


 俺はそう言って背嚢からバスタオルを取り出し、シュンランさんが着ている膝まであるポンチョをまくり上げて腰の辺りで結んだ。


 そしてボロボロに破れ、ベージュの下着がところどころ露出している革製のズボンの上をタオルで覆った。


「うっ……わ、わかった。その……なるべく見ないでいてもらえると助かる。一応これでも女なのでな。さすがの私も恥ずかしいのだ」


「はい。必要最低限に留めます。俺も慣れないので手元が狂ったらすみません」


「だ、大丈夫だ。世話をかける」


「いえ、必要なことなので。では棚に腕を掛けて少し腰を浮かせてください。ありがとうございます。では下ろしますね」


 俺はそう言って彼女の正面に膝をつき、タオルの中に手を入れてズボンのベルトと腰紐を解いて下へとゆっくりと下ろした。


 そして次に彼女の腰に手を伸ばし下着の紐を探そうとしたが、どの辺にあるのかわからず手が後ろに行きすぎてしまった。


 その結果、俺の両手は便座の上に座るシュンランさんのお尻あたりをまさぐることになり……


「んっ……違うリョウスケ……行き過ぎだ。もっと手前だ。そう、それだ」


「す、すみません。あ、ありました。では解きますね? 」


 シュンランさんに注意され、思っていたよりも肉付きがよくとても柔らかかったお尻から手を引き彼女の誘導に従い手を動かすと左腰にあった紐を見つけた。


 紐を見つけた俺は顔を上げ、彼女に紐を解くことを予告した。


 そんな俺の視線と言葉に、シュンランさんは頬を染めて視線をそらしつつもコクリとうなずいてくれた。そんな彼女を可愛いとなと思いつつ、俺は紐を解いた。


「解けました。では下着を下ろしますね? 大丈夫です。下着は見ませんから。すぐに下ろしたズボンの中に入れますので」


 俺がそういうとシュンランさんはさらに顔を横に向け、無言でコクリとうなずいた。


 俺はドキドキしながらそのまま紐パンをゆっくりと下ろした。そしてバスタオルから出る前にサッと丸め、足もとにあるシュンランさんのズボンの中に押し込んだ。


 その時に目線が下がったせいか、バスタオルの下の三角地帯から黒い茂みがチラリと見えてしまった。


 一瞬視線が固定されそうになったが、俺は強烈な自制心を発動させ何事もなかったかのように立ち上がりすぐに背を向けた。俺の三角テントを見られないためだ。


「じゃ、じゃあ俺とミレイアさんはドームにいますので、済んだら呼んでください」


 俺は背嚢を拾いながらシュンランにそう言い、一連の流れを見て泣きそうな顔をしているミレイアさんを抱き上げドームの中に入っていった。


 ドームに入ると無言でうつむいているミレイアさんを横目に、エアマットや寝袋を敷いた。ミレイアさんとの会話は無い。


 それから少しして外からシュンランさんの呼ぶ声が聞こえた。


 その声を聞いた俺は背嚢から街で買った紐で縛るタイプのズボンを取り出し、彼女の元へと向かった。


「終わりましたか? では今まで履いていたズボンはもうボロボロなのでこれに履き替えましょう。下着はその……次のこともあるので履かないでいてもらうと助かるのですが、いいですか? 」


「そ、そうだな……毎回脱がせてもらうのも恥ずかしいからそれでいい。その……ズボンと一緒に取っておいてくれ。それしかないのでな……」


「はい。もちろん保管しておきます。じゃあズボンを履かせますね」


 そう言って綿のような生地のズボンをシュンランさんの足に通したあと、彼女に片腕を俺の首に回してもらい、そのまま密着してぶら下がってもらった。そしつそのまま一気にズボンを引き上げた。その時、彼女の背中越しに丸く形の良いお尻が見えたが、俺は何事もなかったかのように再び彼女を便座の上に乗せてズボンの腰紐を結んだ。


「ありがとうリョウスケ……その……色々配慮してくれて感謝する」


「これくらいの配慮はして当然ですよ。またトイレをしたくなったらいつでも遠慮なく声を掛けてください。次はもっとスムーズにできますので、シュンランさんの負担も減ると思います」


 色々見えてしまうのは仕方ない。これは医療行為だからな。うん、仕方ない。


「ありがとう。お言葉に甘えさせてもらおう」


「はい。いつでも」


 これでシュンランさんはよしと……さて、問題はミレイアさんか。


 ずっと俺に抱えられていたから、そこまで触れられることに抵抗は無いと思うんだけど、彼女は両手が使えない。さすがに俺がお尻を拭いたりしたら傷付くだろうから、そこはシュンランさんに任せるか。


 俺は思ったことをシュンランさんに伝えると、彼女は確かにと頷いてくれた。


 そしてシュンランさんを抱き上げトイレの前に移動させたあと、ドームにミレイアさんを迎えに行った。


「ミレイアさん。トイレに行きましょう」


「あ……あの……やっぱり私はいいです……その……しなくて大丈夫……です」


「そうはいかないでしょう。男の俺に色々触れられるのは嫌だと思いますが、これだけはお手伝いさせてください。我慢できるものではないので心配なんです。次はトイレの上ではなく、ここで先に着替えてからすれば少しはマシになりますから」


 俺は顔を赤くしながらトイレに行かなくていいというミレイアさんをエアマットの上に寝かせ、身体の上から毛布を掛けた。


 彼女には酷なことだけど、トイレを我慢なんてできるわけない。ここは心を鬼にして強引にでもしないと。


「あっ! リョ、リョウスケさんほんとに……大丈夫なんです……」


「ミレイアさん本当にすみません。俺のことを嫌ってくれていいです。でもずっと我慢し続けるのは無理です。そうなったらミレイアさんに恥をかかせてしまうので」


 我慢なんて身体に悪すぎるし、もしも漏らしたりなんて事になったら今以上に恥ずかしい思いをする事になる。ここは嫌われてでもいいから彼女のためにすべきだ。そう、彼女のためなんだ。


「嫌ったりなんか……ううっ……はい……わかりました……お願い……します」


「ありがとうございます。それじゃあまずはコートを脱がせますね」


 俺は涙目になりながらも了承してくれたミレイアさんに感謝したあと、毛布の下に手を入れ彼女に貸していたコートを脱がした。その瞬間、毛布の上にクッキリと二つの大きな山が浮かび上がった。


 それはFかGはありそうな双丘で、仰向けで寝ているにもかかわらずしっかりとした形を保っていた。


 素晴らしい。なんて素晴らしい形をした胸なんだ。


「あ、あの……リョウスケさん? 」


「ハッ!? あ、次はズボンを脱がせますね? 」


 俺はつい見惚れてしまった毛布越しに浮かぶ双丘から目を逸らし、ポーカーフェイスを全力で保ちながら毛布にの中のズボンへと手を掛けた。


「あっ……リョウスケさん……恥ずか……しい……です」


「必要なことなので」


 顔を横に向けながら真っ赤にして恥ずかしがる彼女に、俺は真顔でそう答えズボンを一気に脱がした。


 そして再び毛布の中に手を入れ、今度は彼女の下着に手を伸ばした。


「そ、そこは……リョウスケさん……」


「何も見えませんから。虫かなんかが触れてると思ってください。では脱がせますね? 」


 包帯の巻かれた両手で顔を覆いながら俺の名を呼ぶミレイアさんに、なんだかイケナイ事をしているような気になり妙に興奮してきた。それでもポーカーフェイスを保ちつつ、ゆっくりと下着を脱がせていった。


 そして下着を脱がし終え、ズボンの中にしまったあとに視線を戻した。するとそこには、薄い毛布に身体の線をクッキリと浮かび上がらせた素晴らしい身体があった。


 メチャクチャスタイルいいなこの子。背も160ちょいくらいか? 足も長そうだし胸も尻も大きい……って! 駄目だ! そんな目で見たら男の視線に敏感な彼女が傷付く。ポーカーフェイスだ!


 俺は両手で顔を隠しているミレイアさんがこっちを見ていないことにホッとし、背嚢から部屋着用に買ったシャツとズボンを取り出した。


 それから再び毛布に手を入れズボンを履かせたあと、次にシャツを着せた。その際に彼女の生乳に手が触れてしまうというハプニングがあったが、必死に謝ってミレイアさんに許してもらえた。すごく柔らかかった。


 そうしてやっと着替えさせることに成功した俺は、ミレイアさんを抱き上げドームの外に出てトイレの便座に座らせた。そしてバスタオルを膝に置いてズボンを脱がせた。


「それじゃあ紙とウェットティッシュはシュンランさんに渡しておきますね。俺はドームに入っているので終わったら呼んでください」


 あとはシュンランさんに任せることにして、彼女に紙とウェットティッシュを渡してドームへと戻った。


 それからしばらくして声が掛かったのでトイレへと向かった。そしてうつむいているミレイアさんに抱きついてもらい、彼女の大きなお尻を眺めながらズボンを引き上げた。


 こうして二人のトイレをやっと終わらせることができた俺は、二人を抱き上げドームへと運んだのだった。




 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢




「さあ食べてください。おいしいですよ」


 俺はドームの外にかまどを作り、枯れ木を集めて調理した料理を二人の前に並べた。


 料理と言ってもお湯で温めたおかゆをパックに入ったまま置き、皿に角兎の肉を焼いた物と、街で買った野菜と果物を適当に切った物を並べただけだ。


 そんな料理とも言えない物が、防災避難セットに入っていたロウソクに照らされ彼女たちの前に置かれている。


「変わった入れ物? だな。中に入っているこれは……麦? 」


「……初めて見る穀物です」


「これは俺の国の主食の米という穀物です。それを消化しやすいようにお湯で煮た物になります。すごく美味しいですよ」


 俺はやっと口を開いてくれたミレイアさんにホッとしつつ、手元にあるおかゆのパックから、調理中に木を削って作ったスプーンでおかゆを掬い自分の口に運んだ。


 二人にはちゃんとしたスプーンとフォークを渡してある。といっても両手が使えないミレイアさんは俺が食べさせるつもりだ。


「うん、美味い! さあ、ミレイアさんあ〜んして。恥ずかしいがらなくていいですから。病人なんですから言うこと聞いてくださいね? 」


「あ……は、はい……」


 俺は隣に座らせていたミレイアさんの口に、スプーンでおかゆを掬い持っていった。すると彼女は赤面しつつもその小さな口を開けてぱくりと食べてくれた。


「ね? 美味しいでしょ? 」


「はい……とても美味しいです」


 この子ほんとに可愛いなぁ……


 俺は幸せそうな顔で美味しいと言ってくれたミレイアさんの可愛いさに、胸がきゅんとした。


「さ、さあシュンランさんも食べてください。肉の方は男料理で味付けが適当ですけど、食べれなくはないと思います」


 正面でミレイアさんを慈しむような目で見ていたシュンランさんに、俺は早く食べるように勧めた。


「ああ、ではいただくとしよう……これは……うん、美味い。ん? この肉……塩とこの少し辛いというか少し刺激のある味は……」


「ああ、それはコショウという物です。この世界には無いんですかね? 俺のいた世界では、とりあえず掛けておけばなんとかなるというほど万能調味料なんですけど」


 肉を口にして不思議そうな顔をするシュンランさんにそう説明すると、隣から視線を感じたのでミレイアさんにも肉を食べさせた。


「こしょう? いや聞かない初めて感じる味だ。うん、これは美味い……」


「ピリッとしていて美味しいです。角兎を焼いたお肉がこんな風になるなんて……」


「気に入っていただけて良かったです」


 俺は角兎の肉を次々と口に運ぶシュンランさんの姿を見て、不味いと言われなくて安心していた。


 そして隣で餌を待つ雛のように口を開けるミレイアさんに、肉とおかゆを食べさせていった。


 どうも角兎の肉は焼くよりも、干香草に包んで蒸すかシチューにするのが一般的な食べ方らしい。でもコショウがあるなら焼いて食べるのも美味しいと二人は言ってくれた。


 ご飯を食べている時の二人は自然と笑みを浮かべており、そんな彼女たちを見て俺は少し安心した。二人ともさっきのトイレの時以外は、ずっと辛そうな顔をしていたからな。両足首を切断され、治る見込みもないとなれば当然だ。


「ふぅ……リョウスケ。とても美味しかった」


「リョウスケさん美味しかったです。すみません、私のせいであまり食べられなかったですよね? 」


「ああ、俺のことは気にしなくていいです。色々と食料は持っているので」


 食事を終え満足そうな顔をしている二人に、俺は乾パンの缶詰を見せながらそう言った。


「それは……鉄の容器か? 何が入っているんだ? 」


「小さなパン? のような絵が描かれてますね」


「これは明日のおやつに出しますのでお楽しみに。 さあ、もう寝ましょう。出入り口は塞ぎますので安心して眠ってください。魔物が来ても俺が瞬殺しますから」


 俺は乾パンの缶詰を背嚢に戻し、笑顔でそういいながら料理を片付けた。


「ふふっ、それは楽しみだな。しかしこの石の家は素晴らしいな。これだけの物が作れるのなら、リョウスケが一人で森を歩けたことも頷ける。こんな物を作れる大地のギフト持ちなど見たことがないぞ」


「あはは、本当は大地のギフトに似たちょっと特殊なギフトなんです。まあ能力は同じなので」


 地上げ屋ですとか言っても理解できないだろうな。説明してもきっと混乱させるだけだし。俺だってなんで土地の取得交渉をする人が、地面を隆起させるのか謎でしかない。


「そうか、考えてみれば女神から直接授かったギフトだ。通常のギフトよりも強力なのは当然か。リョウスケ……野営にトイレとそれに食事まで。色々気を使わせてしまってすまない」


「そういうのは言いっこ無しですよ。家に着いて手と腕が治ったら、二人には料理とか家事をお願いするつもりですから。歩けなくても俺の家ではそれができるんです。だから治ったらお願いしますね」


 確か骨折は3日で治ると言っていた。家に着く頃にはかなり良くなってるはずだ。両腕が使えるなら問題ない。料理と洗濯くらいはできるだろう。


「この足で料理や家事ができるのか? 私もできる限りのことはするつもりだが……本当にできるのだろうか? 」


「お料理にしてもお掃除やお洗濯にしても、歩けないとできないと思うのですが……」


「できますよ。全部座りながらできます。言ったでしょ? 俺の家は特殊だって。さあ、どんな家か想像しながら寝てください」


 俺は笑顔でそう言って彼女たちを抱き上げ、エアマットと寝袋を敷いた場所へと寝かせた。そして二人の上から毛布を掛け、毛布の下からシュンランさんに着せていたポンチョを脱がせシャツに着替えさせた。


 シュンランさんを着替えさせたあと俺はロウソクの火を消し、二人にトイレに行ってくると言ってその日1日我慢していたものを発散させた。


 そしてスッキリした気持ちでドームに戻り、出入り口を塞いでからコートを掛けて眠りについたのだった。









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