2022.07.26 感染者

 高校一年生の息子が土曜にコロナ陽性になったため、最短5日間の自宅待機になりました。今のところ俺は平熱で問題なければ金曜日から出社するつもりです。


 息子によると……。


7月19日マスクを外しての野外草むしり(サッカー部)をさせられた。

7月20日終業式、一緒に草むしりしていた具合悪そうな子が休んでいた。

7月21日休み。自宅で夜38.5分。

7月22日休み。同上タイレノール解熱剤で対処。熱は37度台まで下がる。

7月23日病院で陽性確定。37度台。

7月24日解熱剤と咳止め処方で36度台平熱に近い。

7月25日朝から平熱。倦怠感と咳は多少残る。

7月26日朝から平熱。無事、任天堂スイッチでゼルダをクリア。ゼノブレイドのレベルあげに苦戦中、もうこの生活に飽きてきた模様。尚、本人は8月1日まで数旬日をこの隔離部屋で過ごさなければならないという現実に直面している。

 

 確定翌日には保健所からメールが来て、ハーシスというソフトにログインして問診票に色々と記入する。こちらからの情報を与えるだけで、待機解除の連絡はこないとのことだ。


 ガイダンスに従うと感染者本人は10日間の自宅待機。濃厚接触者は7日だったのが、5日になったというので、同居人(自分、嫁、娘)が発熱しない限り、金曜に出社する予定を会社に報告した。


 運良く5日になったのは、ほぼ同日。まったく手に入らない抗原キットを二個使えば3日で復帰も可能だそうだ。


 息子はカーテンで仕切っていた部屋から個室に移して、なるべく接触しないようにしている。一緒の部屋でカーテンごし、ほぼ2mの場所で寝ていた娘ちゃんが発熱しないか心配だ。


 結論をいうと一日寝れば治る風邪よりは大変であるが3日で治る風邪としかいいようがない。だが待機期間は果てしなく長い。


 もしスマホ越しや壁越しのコミュニケーションすら断絶した状態であれば、情弱な人間などというものは3日で発狂するのではないだろうかと不安になる。


 まず病院。予約するのに往年のテレクラ技術を駆使しても40分は続けないと繋がらない。翌日9時の予約が取れても何ひとつ安心は出来ない。野外で受付を済ましてから2時間待たされて検査、更に一時間待たされて陽性だと分かる仕組みだ。


 陽性という当たり前のことを聞くために炎天下で何をしているのか、機械のように忠実な群れは数十人も日陰を探してウロウロとしている。今後の予定や将来の展望を超越した群れは、真に興味深い実験がおこなわれているなんて考えもしない。


 頭が悪いわけでも、性質が悪い訳でもない、真面目で優秀な群れだ。彼らは自然現象として駄目にならざるを得ない状況を共有している。どこか会社で働かされている俺の状況と似ている気がする。


 俺の仕事も三年前には5人いた営業が3人になって取引先も売上も激減しているのが現実だ。努力が足りない訳でも怠けている訳でもない。売り先や購買する人口が減っているのが明らかな原因だった。


 何が似ているのか……自然現象として駄目にならざる得ない状況と無駄な労力という悪循環が同じなのだ。


 減益なのに書類を増やし部下のケツ叩き、無意味な会議を増やして商品ごとの売行不調を分析させられたりする時間と労力の浪費。


 後ろ向きな提案にはなるが、仕事を減らす方法を考えたほうが健全だし、人の労力を減らして数字を維持か、軟着陸するほうに思考を変えるべき状況にある。


 ウィズとはそういうことなのだ。しかし、これほど急な出来事では会社に自分の仕事を頼むのも中々のプレッシャーがかかる。


 ここまでのコロナ禍に年月をかけても何かあったときはどうするかという議論が、されてこなかったのも情けない話だ。


 管理や評価に縛られて現実的な仕事に手が回らない。実際にアクティブに動いてくれる人間は低賃金の使い捨てとして扱われる現実。値札を500枚付けても、1枚が間違っていたらクレームが酷いことになる世の中だ。


 頑張らない技術が必要なのだ。基本的にイライラしている様子を見せると、「仕事を頑張りすぎじゃないか?」と心配されたり距離を置かれたりされるだろう。


 簡単なのは汗を拭きながらキーボードをカチカチ鳴らしたり、ペンを折ったりすればいい。(俺はやらないけど)


 もしくは会社では上司のアドバイスなんぞ求めず、さっさと会社から居なくなって貰うような体制にもっていくことが重要かもしれない。


 地道に少しずつなら生きやすい世界になるように出来るはずだ。宝くじを買い続けるような努力が報われる日は来ないだろうから。






 

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