2021.10.29 クロームブック
「薄くて軽くて、キーボードが付いてれば有能に見えるってだけじゃない?」
「そこが一番だけど、ほら、これ持ってたら有能に見える? 2028年まで自動更新、ウイルスバスターが要らないし三万円でユーチューブとかネトフリを見ながら文章も書ける。仕事には向かないけど、起動時間が短いのがいいよ」
秋葉原の大型電気店。病院帰りの嫁さんと待ち合わせしてパソコン売場のクロームブックコーナーに来ていた。
はじめは中古店を回ったのだが、素人にパソコン選びは難しい。今あるノートは使えるけど古くなって起動に時間がかかるのだ。
「はあ、疲れる」嫁さんが言った。「御徒町から歩いて疲れてるのに、パソコン選びで歩きたくないわ、苦手だもん」
「俺だって婦人服買うのに付き合ってるんだから、いいでしょ。どうして女性の洋服って毎週毎週新しいのが並んでるんだろうね。それも沢山の種類が。俺でも試着したくなるよ」
「破れるわ(笑)」
クロームブックの良いところ。カクヨムに使うなら最高だね。起動してすぐ打ち込めるしデータはオンラインで保管される。Wi-Fiがないと役立たずだけど、Wi-Fiのほうだってタブレットがなきゃ、役立たずだからね。
ウィンドウズみたいに色々とインストール出来ませんっていうけど、逆にアイパッドやアンドロイドタブレットみたいなアプリが入れられるんだから、問題なし。
むしろパソコンにインストールって何をどう使うんだっけ、と考えてしまう。CDをやくだけだったら、パン焼き機みたいに、それだけで売ってくれないかな。
あれなんか年に二回位しか使わないのに炊飯器と同じデカさだし、作ったら作ったで買ってきたパンと同じクオリティだからね。買ってきた食パンを入れて温めてやろうか。
「安いパソコンを買うよりはいいかもね。でも、どの種類を選んでいいのか難しそう。決めてるの?」
「……うん、実はさっき説明は色々と聞いたんだ。フリップ式で画面を360度回せるやつ。タブレットを外せるやつは、なんか首のすわってない赤ちゃんみたいで、落っことしそうだから」
「まあ、子育て危なかったもんね。でも入学祝いとか誕生日でもないのに、買って貰おうっていうのは子供たちに文句言われるかもよ」
「ははは、まあいいじゃん。スマホの新機種だったら言われるだろうけど、仕事っほい感じになるでしょ」
「テンキーついてないけど(笑)」
屋上というほどでもないが、我が家のつくりが変わってるせいかベランダに出るまでに、電話ボックス位の踊場がある。
そこにクロームブックを持って、キャンプ用の椅子と小さいテーブルをだして書斎を作ってみた。かなり狭いデッドスペースだけど、こんな一人の空間が欲しかったのだ。
何故だか? うん、何故だか。
だいたい仕事のストレスって人間関係だよね。みんなアルコール依存症か更年期障害かなんかだと思うけど、俺には好意か敵意しか出してこない。
他に楽しめるような感情とかないのかね。関わらないようにしたいけど、至るところで待ち構えてる。独り言だか指示なのか、提案なのか依頼なのか、考えなしに文句だけ言ってくるから、無視するけどさ。
真面目で熱心なサラリーマンなら、みんな辞めるよ。精神を病んじゃうから。俺ならスルーしちゃうけど、最近じゃ全部スルーするから何の競技やってるか思い出せないよ。
そういうわけだから、クロームブック。今まで携帯スマホでカクヨムをやっていたって人には、お勧めできるアイテムです。
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