2021.08.26 ワクチン注射一回目

「まずいな、熱計ったら36.8°あった。そういえば今朝から体がだるい気がする」


「大袈裟だなぁ、クーラーつけてないから暑いだけでしょ」


「嫁ちゃんは36.6°か。俺に何かあったらいろいろ頼むよ。洗濯とか洗い物とか」


「なんで有利に立とうとするかな」


 嫁さんとふたりでワクチン接種に行ってきました。集団接種会場につくと長蛇の列が目に入ってくる。


 入り口で検温。36.6°と平熱になっていて安心した。嫁さんは36.8°と言われた。


「まずいわ、私に何かなくても洗濯と洗い物はよろしく」 


「あるわけないでしょ、たかが36.8°の平熱で。何を言ってるんだ!?」


「……」


 五メートルおきに係員のかたがいらして、熱を測ったり問診票や保険証を確認してくれたり、驚くほどスムーズでした。


 個別に説明してくれるなんて親切すぎるくらいです。しかもすぐ終わります。痛さもいう程でなく。


 ファイザーでしたが、やはり日曜日は腕があがらなくなりました。筋肉痛の感じで、肩こりでぼんやりしました。


「ワクチン接種、反対の腕、痛い」


「はあ?」


 嫁さんがスマホに話しかけている。検索ワードに何も引っ掛からないで、何度かブツブツと言っているようだ。


「まさか左腕に射ったのに、右腕が痛いの?」


「うん、腕が上がらないんだよね」


「……四十肩だね」


「まあ、四十肩なんだけどね」


 そんな無駄な時間を過ごすこと二日、なんともないっす。二回目の接種は三週間あけてからになりますが、ちょっと怖いです。腕が痛くなるくらいだから発熱もある予感がします。


 日曜日は娘ちゃんの髪の色を戻すため薬局に行って毛染めを買ったり、うまく黒髪にならなかったので「髪の色戻しスプレー」を買いにいったりと忙しくしておりました。


 準備していた文化祭は中止。息子ちゃんの体育祭はまだ分かりませんが、今月予定していた練習のための登校日はなくなりました。


 最近は行政やトップに幻滅することも多いですが、現場をまわす人たちの有能さを、誇らしく感じました。


 一般的なサービスの水準が高くて、当たり前のことを当たり前に出来てしまうというか、真面目で優秀な人材がいくらでもおるというか。


 総理や都知事、ヤフーコメントなんかを見るとボロクソ書かれてますね。確かに、もうウンザリって感情で世の中溢れてます。


 ただ、菅さんの喋り方やスピーチの下手さ、リーダーシップ、目が死んでるとか容姿を批判するのはやめてあげて欲しい気がします。


 日本人にはスピーチとか向かないのかもしれません。想像力のある国民性なんで、雰囲気で見てる感じすらします。


 むしろ、急に黙って目を覆い隠すだけのほうが、伝わるかもしれません。もっとチームでやっとる感じをだせば、くだらない批判はされないのに。


 ワクチンや酸素ボンベを送ったり、総理も外交やら政治活動は色々やってますよね。歴代の総理が平時に何もやってなかった尻拭いみたいな部分もあると思います。


「パパ、薬局で洗顔料買ってきて。あとママが腕が痛いから、夕飯何か買ってきてって!」


「……」


 しばらく両手を顔にあてて、黙ってみた。目をあけたときには、誰も部屋には居なかった。

我が家の民度は低いようだ。




 


 

 

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