2021.08.16 大豆田とわ子と三人の元夫
連休中ずっと見てました。全十話、素晴らしいのひとことです。ネタバレ注意です、これから見るかたは飛ばしてくださいませ。
役者さんもぴったり、コメディのセンスや見所も完璧でしたが、ストーリーは予想を大きく裏切りました。いい意味で。
離婚した三人の夫、なかなか駄目なところのあるグズなのかな……というフラグがあります。未練たらたらですし。
しかし三人が三人とも、凄まじい魅力を出してきます。駄目な部分まで凌駕、愛おしくなる物語の進行に驚かされました。
この底辺イメージからの物語スタートは仕掛けとして秀逸、見たことないかもしれません。
離婚原因や、回想シーンは少ないです。どうせ興味ないだろ、本編では扱いませんので跳ばします、という構成の潔さが妙に現実的なんです。実際、暗くなるだけですよね。
予想が裏切られたのは、とわ子と同じく三回離婚をしているというパワハラ社長が登場するシーン。仕事とはいえマッサージや会食に付き合います。
パワハラ権力で手込めにされてしまうのではないか。ホテルに連れ込まれるてしまうのか? と緊迫した状況。
一方、三人の元夫は女子三人と合コンみたいなことをしています。普通のドラマなら、助けに行くんじゃないの? 見ているこちらは笑いながらも、内心はハラハラしています。
松田龍平が殴るのかな、あの人アクションも出来るし。松田勇作の家族ゲームでのイメージが過ります。面白かったですね。
話すときの顔が近すぎてボソボソ喋るキャラでした。無表情なのに平手打ちがめちゃくちゃ速くて、ただ者じゃない感じが好きでした。
角田さんは入院するのかな。東京03のコントでは、包帯ぐるぐる巻きのイメージもあるし。器の小さいキャラがぴったりで応援したくなります。
岡田くんは青アザくらいで、うまく立ち回るかな、弁護士役だし。笑えそうだけど、想像つくなぁと、まあこんな感じで見てました。
三人のドタバタコメディと、馬鹿だなぁ俺たちみたいな友情展開になるとばかりに。
ところが、ひとりで立ち上がれる子、とわ子は違います。彼女が居なくなったのにパワハラ社長は、関係ありませんでした。
親友のカゴメの死が原因だったのです。心筋梗塞……えっ!?
思考停止。待て待て待てよっ! 伏線隠しすぎだろうよ。前半にあった最後の晩餐はコロッケでいいやというセリフ……食ってた。
児童施設に親の遺産、三億円を寄付したカゴメ。あの親戚に葬式をやって欲しくないと言っていたカゴメ。急に幼少期に何があったのか気になります。
素敵な彼氏が出来そうだったのに、デートをすっぽかしたカゴメ。自分の死期が分かっていたのか……と、とわ子も知っていたのか。
そういうことだったのか。何で気が付かなかったんだと悔しい気持ちになっていました。知らなかったのは俺だけかよおおっ、なんて!
信号のない横断歩道が渡れない、カゴメ。漫画家になろうと二人で始めるも、大喧嘩になって辞めてしまう二人。
ずっと手を繋いで最終回まで笑ってると思っていました。娘は実家に行ってしまうし、仕事はうまくいかないし。
それでも、めちゃくちゃ仲良くなっている三人の元夫たちが可愛くて笑える。みんないつも、とわ子のことを考えているからです。
寂しくないかな? 辛くないかなって。夫が三人いたら、割りきれない気持ちもあるでしょう。でも割りきれるものなんて、この世界にあるんでしょうか。
「ひとりで生きていけるけど、まぁ、寂しいじゃん。寂しいのは嫌だけど、でも、それで誰かとふたりでいたって、自分を好きになれなかったら、結局ひとりだしさ」
とわ子の言葉を噛み締める俺だった。噂どおりの良作でした。あいるさんが面白い言うとっただけありました。
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