2021.05.31 DAYSとかいうサッカー漫画
強面の先生が大画面モニターの前に立ち、サッカー部員に語る場面。ミーティングが始まるのだ。テレビの前で参加する娘ちゃん。
「明日の決勝の相手……関東大会の覇者、都立桜木高校。たった二年目に突如台頭してきた奇跡のチームだ」
……奇跡だって(笑)、こんな先生がいたら部活のミーティングも楽しいだろうな。
「その原動力は中央にある四本の柱だ」
……柱。どっかで聞いたような。でもこっちのほうが先なんだろうな(笑)
「圧倒的な身体能力を誇る怪物キーパー近藤。ディフェンスを統率する闘将、如月。ゲームをコントロールするチームの心臓、天才ミッドフィルダー犬童。そして現時点でのインハイ予選得点王フォワードの鳴神。もっとも警戒しなければならない相手だ」
……ずいぶんと精鋭部隊だけど言ってて恥ずかしくないのか、この先生(笑)
「爆発的スピード、変幻自在のドリブル、そして正確無比なシュート。対戦相手を一瞬で地獄に突き落とす、まさに死神だ。この中心がしっかりしている分、他の選手の役割がはっきりしていてブレない。つまり桜高に大きな隙は無い」
す、すごいチームだ……怪物とか悪魔の異名を持つ選手が高校サッカーではゴロゴロいるらしい。超次元スレスレだ(笑)
しかし、聞いていると弱点なんてまるでない。どうやってこんなチームに勝つんだよ。折れそうになる俺の心を見透かしたように強面の先生は言った。
「ふっ、突破口ならあるさ」
えっ……!?(笑)
「うちの前線だ。右にスピードとテクニックの風間。中央に高さとキープ力の大柴、左にパワーと決定力の水樹。聖蹟伝統の三本の矢。今年は歴代でも最強の三人が揃っている」
……そうだ、聖蹟にはこの人たちがいるんだ(笑)
「以上でミーティングを終わる、では解散。明日にそなえてゆっくり休め」
「はいっ!」と返事をする娘ちゃん。何なんだ、この異世界なミーティングは。
夕飯の時間になり、停止された画面。俺はネトフリで娘ちゃんが最近はまっているアニメ『DAYS』に興味が湧いた。
主人公の柄本くんは、なんと高校からサッカー部に入るという浮いた存在である。サッカーの名門高校にスポーツ経験の無いものが入部することは普通はない。
だが彼が入ることでチームは良くなる。走るしかないのでとにかく走る柄本くん。
基本的に強面の先生他、みんなが優しいため声をかけたりアドバイスすることでチームが纏まりはじめる。
超下手くそなのでセカンドボール(こぼれ球)を拾うのが異様に上手くなっている柄本くん。フリーキックを三本決める大柴さんは確かに凄いが……毎回ぶっ飛ばされてフリーキックを貰える柄本くん、実は一番凄いのではないか。
「あの先生とか観客の状況説明が、ものすごい親切なのが笑えるけど、基本的には泣けるのがいいよね。パパも見始めたら止まんなくなっちゃったよ、楓ちゃんのお勧めアニメ」
「パパさ。なんで私よりみてんの? 仕事してないんじゃないの」
「サボってアニメ見てるの、まさか!」
実はネトフリはダウンロード出来るので遠方へ移動があるときに電車内で倍速で見ていた。二話か三話、先まで見てしまった。はっきりいって面白い。この作者は天才かもしれない。嫁さんが軽蔑した目で俺を見ている。
「み、見てないよ」
「嘘だね、ちゃんと分かるんだから。ネトフリだと前回見たところから始まるから分かるんだからね!」と突っ込む楓ちゃん。
「信じらんない、子供のアニメを先に見る親って何考えてるの、サボりすぎだよ」
「み、見てないっていってるだろ。十六年育てた父親のいうことと自分の目と、どっちを信じるんだよ。ネトフリの機能が絶対正しいなんてことはないぞ!」
「……はあ?」
「ちょっと待って。なんか言い方間違えた」
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