2021.03.28 カクヨム 短編 増えすぎ
短編連投イベントに参加しております。目指せ★100は無理っぽいですけど。いつのまにか短編でマイページがずらりの状態になってきております。
短編集としてまとめればいいのだろうけど、作品が埋もれるだけかも。嬉しいコメントは消したくないし★が無くなってしまうのは罪悪感もありますよね。
世界観を統一しておいて、ほとぼりが冷めたころに纏めればいいか。などと考えております。皆さんどうしてるのかな。
※
緊急事態宣言があけて息子くんの部活もはじまった。久々にサッカー部の遠征。朝から自転車に空気を入れてやっていたところ。
タイヤカバーで指先をザックリ。思いの外、出血が多くて慌てる俺。滲みて洗い物や洗濯干しが辛いところ。
「うお座の運勢一位だよ」嫁さんは何が嬉しいのか言った。「痛みは癒しのプロセスですだって。良かったね、パパ」
「……はあ!?」
そんな馬鹿な。占いなんか当たるとは思わないが良かったとは、ハズレすぎにも程がある。
楓ちゃんは最近ヘミングウェイやサリンジャーを図書館で借りているようす。高校で小説投稿サイトに書いている友人がいるらしい。
「教室でノートパソコン開いてラノベかいてる男の子がいるよ」
「おお、カッコいいじゃん」
「……いやいやいや。最悪だってば」
教室で書いてますアピールするわりに「見るなよ」といい、楓ちゃんが文庫を並べていると勝手に手にとって「へぇ、こういうの読んでるんだ」などと話かけてくるらしい。
俺じゃん、それ……最悪なの!?
「まじキモいよ。ラノベは詳しいとか言ってるけどラノベしか詳しくないし。アーネストなんか知りもしないんだよ」
「……国語の成績は?」
「全然だめ、私が学年三位だから言うわけじゃないけど才能ないと思うよ」
なんでヘミングウェイをアーネストと略するのか突っ込み入れたほうがいいか迷ったが、(たぶんバナナフィッシュの影響)機嫌が悪そうなので止めた。
「今日は塾の春期講習テストがあるから、車だしてくれない?」
「あれ、今日はバイトだったよね」
時間きつきつのスケジュール。楓ちゃんは自分で塾の予約をするし、バイトのスケジュールも入れるが、カツカツのタイムラインなのだ。
「間に合うの?」
「パパ次第かな」
宣言があけて、動き出したのは自分だけじゃない。忙しくなってきた日常に俺はたじろぐ。
家に戻ると洗濯と洗い物が終わっていた。夕飯の買い出しついでに楓ちゃんのバイト先で夫婦で夕飯を食べた。
「よく働く娘ちゃんだこと」
「うん。立派だな」
ハッピを着てマスクしてるけど、遠くから見てもそれが楓ちゃんだとわかる。それが妙に嬉しかった。
帰宅して、お土産弁当を食べる息子くんは久々のサッカー試合に、四対一で勝ったことを話してくれた。
「ああ、自転車ありがとね」
占い……当たっていやがるな、と思う俺だった。指先の痛みは無くなっていた。
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