2021.01.17 濃厚接触者
ついに身近なところからコロナ感染者がでてしまった。自分の担当している販売員さんである。手洗い、うがい、飲み会無しでも接客業はやはり危険だ。
39度の高熱が続き、咳と喉が痛いとのことだったので風邪、インフルエンザの症状と同じである。
保健所からの通達で自宅待機になり、発熱から二週間後にOKの連絡を待つらしい。俺がその販売員とあったのは発熱の二日前である。
果たして俺は濃厚接触者になるのだろうか。あって会話をしても、あるいは同じ職場で共に仕事をしていたとしても濃厚接触者ではない。
以下、条件の引用。
◇◆◇
濃厚接触者は、新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方を指します。
濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は上述のとおり、1.距離の近さと2.時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。
1メートル以内で15分話す仕事相手は、コロナ渦でなくても思い浮かばない。悲しいことにルート営業とはいえ、ほとんど個人で仕事をしているから。
中小企業の駄目な感じを暴露するようだが、配送センターへの出荷指示は主にプロパー品だけで現在クリアランス真っ最中のセール品はほとんど自分で仕入れてその日に出荷する。
返品の仕上げ直しと出荷のための品だし、値札付け、配送作業をまったく分業していないので、黙々と一人で時間に追われて自分の仕事だけをやる仕組みなのだ。
伝票も納品代行を呼ぶのも書くのも、値札を発行するのも付けるのも誰とも会話しないで成り立つ寂しい職場なのだ。
ましてやマスクなしで会話することはまず有り得ない。なんでこんな会社なんだと、暴れたくなってくるほど会議も打ち合わせもない。
昼飯を共にする場合はギリギリあるだろうか、飛沫防止のアクリル板があり、決まった同僚とふたりまでで食うのでリスクは少ない。
とっさの言い訳のように、自分の行動を思い返す。身近にコロナ感染者が出た場合に自分はどうすればいいのか。まずは自分が濃厚接触者なのかどうかを知らなければならない。
私生活では食事が有る限り家族との濃厚接触は不可避と考えられる。家庭内感染は手の付けようがない。
カラオケ、映画、ショッピング、スポーツに誘われることもあるだろう。学生なら受験や面接、大会なんてこともある。
自分がコロナ感染者になっていたら。いつ、どこで誰と接触したか。管理することは自分にしか出来ない。
単なる接触の場合、会社に相談したところで自宅待機か出勤かを判断できる他人など、まず居ない。
自己責任で判断しなければならない。今度、そんな場面は増えると思ったほうがいい。もし死人が出た場合も。
もし自分の行動足跡のすぐ後ろで誰かが死んでしまったら。俺は……俺たちは振り向いて、しっかりと見なければならない。
見て、現実をみて受け入れなければならない。その時、俺たちに勇気はあるだろうか。何かの不手際があれば、それを認め、罪を償うことが出来るだろうか。
あるいは自分を正当化する価値はあるだろうか。振り向かず、夜明けのシーツにくるまって朝なんて二度と来ないと自分に言い聞かせることになりはしないだろうか。
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