2021.01.12 鬼滅の刃 ネタバレ注
遅まきながら、やっと全巻読破した鬼滅の刃。コミックは大分前に息子が全巻揃えていたが、なかなか読む時間がなかった。
いや、本当に好きなら読んでいたはず。本当は浮かれる世間に対して反抗していた。認めたくなかったのは何だろう。膨らみすぎる期待でハードルを上げたくないのか。
嫌いな作品かといえばそれも違う。短期で終わってしまうのが悲しいから読み進もうとしなかったのかもしれない。
確かに鬼滅の刃は面白い。だからこそ言おう、あと三巻は書くべきだったと。もう少し書けたはずだと。娘は読み終えた俺に言った。
「
「ああ、でも分かりづらいっつーか、期待はずれだったよね。そこんとこは特に」
「パパ分かってるよね?」
分かってるというか、説明文があったからそれなりに分かってるだけで漫画の世界の話だから理解する必要もないんだけど。
言われてみると12型は全部おなじに見える。アニメで動いてくれないと、どんな技かなんて分かんないよね。
13型ある日の技を炭治郎は12までしか知らない。だけど師匠みたいな人と記憶が繋がって実際の神楽を見ることが出来た。
そこで12の型をループさせるコンボこそが、呼び名の無い13番目の技っつーことに気付くわけ。作中で実践しようにも酸欠とか力不足で出来なかったのだ。
「あれで日の出まで二時間、疲れ知らずで戦えるみたいな感じになったよね。でも無理な感じになったからうやむやだ」
「そうそう、私も思った。一晩中神楽を舞っても、ちーとも疲れない技だとか前半に伏線があったよね」
ちなみに息子は、伏線も出てこなかったと言っている。もう一度読みなさいよ。何を期待しているのかというと、炭治郎は覚醒して技を成功させるべきだったということ。
そんで12個ある心臓を同時に討つことで敵を回復させないのだろうな、あいつすぐ回復すっから。俺はそう踏んでいた。
さらに、覚醒した仲間は25才までしか生きられないという縛りがある。それをクリアするには無限ループの生命力アップみたいな技が関係するに違いないと俺は踏んでいた。
いっぱい踏んでるけど、全部は言わないし、言われても困るだろう。無死のいい話ってことで聞いてね。きっと13の呼吸を仲間に伝えるんだと思ったよ。キスでもしてしまえば、伝わるはずだけど、もっと深い部分での精神的な繋がりがあるんだろうとか。
師匠みたいな人は、爺さんになるまで生きていた。その辺の謎が上手く解けると信じていたのだ。生まれつき痣がある炭治郎のことも。
最終回も微妙だった。泣ける感じはまったくない。俺的にはそれを描くならゼンイツとネズコを何とかしたかった。共闘する場面も告白する場面も無いのにくっ付けるのは、有りなのか。
結ばれるのはいい。互いに作中では最も魅力的な二人だ。逆にいえば岩柱や風柱の魅力は非常に薄い。基本的に過去とか性格が暗すぎて辛い感じがする。
だからこそゼンイツあたりに恥ずかしいくらいの告白シーンを期待したかった。簡単に25才で死んでほしくない、そう娘にも同意を求める俺だった。
「はあ!? ゼンイツとかは、痣が出てないから25才で死なないと思うけど」
「えっ……な、なぬなぬ?」
「炭治郎も初めから痣があるから、死なないでしょ。パパさ、もう一度ちゃんと読んだら?」
「えっ……!」
俺が踏んでいた何かは、音をたてて崩れていった。期待どおり、予想どおりの作品なら評価出来るかなんて別の問題。
鬼滅の刃は俺の予想を裏切ったが、それは今を生きる人々にとって新鮮で印象的なこと、必要な要素のひとつだったとフォローする。
つーか、もう一度読むしかないようだ。どうして俺はみんな25才で死ぬと思ってたんだ。何だかんだ言って、もう一度読むけどね。
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