23日

 街をそぞろ歩く。

 この時期にだけ店を出す、年を重ねるごとに甘さが過激になっていることで評判のケーキ屋を覗く。多くの住人たちが真剣なまなざしでショーケースを見つめている。

 せっかくなので何か食べてみようと住人たちの輪に加わるも、ケーキはすべて白く半透明なもの(おそらく砂糖的な何か)に覆われ、どれが何のケーキなのかといった表示も一切されていなかった。

 だいぶ迷ったのち、丸いのと三角のやつを購入する。けっきょく違いはさっぱり分からなかったけれど、ただ、その刺激的な甘さに、酔いしれる。

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