第32話「三女の気持ち」

ああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっ!

ワタシ何した!?あーんしたよね!?しちゃったよね馬鹿なの!?死ぬの!?

ご飯を食べてお風呂に入り、自分の部屋のベットに横になってふと冷静になったワタシはずっと悶ていた。


「あーもー!」


あのときのワタシは本当にどうかしていたと思う。

どうかしていないとできないようなことをしてしまった。

いや、悪いことではないだろうし、きっと勝さんからの好感度的なものはきっとおそらく下がっていないはず!うん!大丈夫!


「けどやっぱりはずかしいよおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


けどいくら助けてもらったからと言って、あれはちょっと大胆すぎたかもしれない!


「ううう……でも間接キスできたのはよかったかな……?」


勝さんに食べてもらってから自分のスプーンに口をつけるのがちょっと恥ずかしくなったけれど、意を決して食べてみたらなんとも言えない幸福感に包まれたのは秘密だ。その後軽音おねーちゃんがすごい形相でワタシに「あーん」するように迫ってきたのはちょっと怖かった。

ともかく、これで勝さんだってワタシのことを少しは意識してくれただろう。これは大きな一歩だ……って、なんでワタシは勝さんに意識してほしいのかな……?


「これが、恋……?」


頭の中に降って湧いた言葉を口にすると、ご飯のときと同じか、それ以上に頬に熱が集まってくるのがわかる。


「あつ……」


ワタシは両手で頬に触れて、直に熱を感じた。ワタシってこんなに体温高くなることあるんだ……。

少し頭を冷やそう。ちょっとこれからの勝さんとの付き合い方を改めたほうがいいかもしれない。兄妹恋愛とか一番ダメなやつだろうし、それで勝さんに嫌われちゃうのは嫌だし。

そう思って、ワタシはベッドから起き上がり、月でも見ようとベランダへと出た。

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