小説家X

ヒロイセカイ

小説家X

 小説家をマラソンランナーに例えるとね、素人がいきなり長編、フルマラソン走るなんておかしーわけよね。


 ランニングだって最初はみんな100m、1キロ、3キロのジョギングからでしょ。

 だからゆっくり1ページから5ページ、そんでもって10ページなんてものをたくさん書けばいいわけ。


 半年くらいしたらハーフに挑戦。ハーフて何って?ハーフマラソンでしょーが!

 50ページとか100ページに挑戦すんのよ。100ページくらいのを3ヶ月くらいで書くわけよね。

 原稿?400文字の原稿用紙だっていーし、パソコンで打っちゃってから後で文字数確認すればいーわけよ。簡単しょっ!


 プロはね、やっぱりマラソンランナーだって1日40キロ、フルマラソンの距離走るじゃない。違うよ、勘違いしないでね。1日1冊分書けってんじゃないよ。3ヶ月で1冊分300から400ページくらい何本も書くの。そう書くのよ。


 そうしてるうちに文章なんてすらすらーと生まれてくるわけ!作品ができあがっちゃうわけ!


 それで小説家なれるかって!作品世に出して自分で小説家です!て言えばあんた、そりゃ小説家ですよ。


 え?売れるのかって?

 あんたさ、宝くじ買ったら必ず当たんの?当たんないっしょ。

 そりゃ売れんわよ。簡単に売れる作家さんになれるんだったら世の中1億人作家だよ。

 いつ誰が読むのよ、て話よ。


 まー書いてみな。書いたら見えてくるものがあるから。

 原稿の向こう側って奴が。


 え?あたし?あたしがどんなの書いてるか興味あるって?


 あたしは読む専門よ!ばかなの?

 1っつも書いた事ないわ!


 読者がいなきゃ村上春樹だって飯食えないっしょ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

小説家X ヒロイセカイ @hiroi-sekai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る