第2話
「気になって、あとをつけてきたら、やっぱり捨てた。」
「ストーカーですか?あなたは・・・」
女の子の発言にきれる。
「違うわよ。全く変わってないね」
彼女は、僕を知っているようだ。
でも、僕は彼女を知らない。
「私が誰か、まだわからないの?」
僕は、頷く。
「じゃあ、これならわかるでしょ?」
彼女は、サンタの帽子をとった。
髪がなびいて、下に落ちた。
「あー」
「やっと気づいた?」
「誰だっけ?」
彼女は、項垂れた。
「私よ、私。あなたの妹の、赤堀梨絵。思い出した?お兄ちゃん」
僕は、まじまじ見る。
「・・・思い出しました・・・」
「よろしい」
赤堀梨絵。
僕の妹。
16歳。
両親は離婚していない。
どっちも、生きている。
でも、梨絵に会うのは、4年ぶり。
小学校卒業と同時に、全寮制の中学へ行った。
手紙は来ていたが、会うのはその時以来。
「しかし、きれいになったな。梨絵」
「お兄ちゃんは、変わらないね」
女は化けるな・・・本当に・・・
「お兄ちゃん、物に執着しないのは、変わってないね。なんでもすぐに捨ててたし」
皮肉だな・・・
「で、どうしたんだ?急に」
「久しぶりに、こっちで年を越したくなって・・・あれは、バイト」
「今は、どこに住んでるんだ?」
「普段は寮。今は、おじいちゃんちだよ。」
仲良かったものな。
梨絵とおじいちゃん。
僕も、夫婦喧嘩の時は、逃げ込むが・・・
「で、パパとママは元気?家族4人でクリスマスなんて、久しぶりだね」
「いないよ。クリスマスは親父とお袋・・・」
「えっ?」
「聞いてないか?」
梨絵は、慌ててスマホを確認する。
「あっ、忘れてた」
忘れるなよ・・・
僕が、言う資格ないが・・・
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