十四話 体育祭(二日目)その後……

「陽夏?大丈夫かぁ~?」

「拓斗、真佑。大丈夫だよ。なんか、心配かけちゃってごめんね……」

「ま、大丈夫なら良かった」

「陽夏、もう歩けそうか?」

「うん」

「荷物持ってきたから、帰ろうぜ?」

「うん」


僕達は保健室を出て、昇降口に向かった。


「じゃ、俺、陽夏家に送ってくから。早瀬さんは寮でしょ?」

「あ、うん。わかった。じゃね」

「じゃあね」


俺と陽夏は、早瀬さんに背を向けて歩き出した。そして、学校近くの駅で電車に乗りこんだ。


「陽夏」

「ん?」

「もうすぐさ、夏休みだな?」

「そうだね」

「陽夏はさ、予定とかあるの?夏休みの……」

「特に、ないけど……?」

「ならさ、あの……。学校近くに神社あるじゃんか?」

「あるね」

「そこでさ、毎年夏祭りやってるんだけど、一緒にどうかなって……」

「夏、祭り?」

「……うん」

「人多い?」

「まあ、そこそこ?」

「ん~。……行く」

「ほんとに?」

「うん」

「じゃあ、日程とかその辺は後々連絡するから……」


と、話していると陽夏宅の最寄り駅に到着していた。俺は陽夏の荷物を持ち、一緒にホームから出た。


「いいよ、ここまでで」

「遠慮すんなって。今日は送ってくから」

「じゃ、お言葉に甘えて」


俺は無理にでも陽夏の家について行った。


 駅から徒歩10分ほどの所に陽夏の家があった。


「家、引っ越しとかしてないんだね?」


陽夏の家の隣には、前に俺が住んでいた家があった。


「してないよ。こうして家の前で会うなんて何年ぶりだろうね」

「何年だろうな。てか、懐かしい~」

「ね?じゃ、今日はありがとう」

「ううん、全然。んじゃ、また来週?」

「うん。またね」


俺は、陽夏に荷物を手渡し、今来た道を引き返した。

 寮に到着し、ベッドに横になる。手持無沙汰になって、スマホを開くと、陽夏からLINKが来ていた。


『拓斗』

『夏祭りの集合、何時にする?』

「陽夏的には、人少ないときに入りたい感じだよね?」

『そうだね』

「そんじゃあ」

「ちょっと早いけど、5時半とかどう?」

『良いね!』

「じゃあその時間に鳥居の前に集合で」

『OK』

『じゃあ、また学校でね?』

「おう!」


そうして、陽夏との連絡が終了した。

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