第2話 恋愛よりもダンジョンが好き



 だが、私は恋愛する気はない。


 なぜなら、ダンジョン攻略が好きだから。


 もともと前世生きていた私は、ファンタジーのダンジョン物を数多くプレイしてきた。


 けれど、たまたまそういった作品がまったく出なくなった年があったため、妥協して恋愛ゲーム「ムーン・クレイドル」に手を伸ばしたのだ。(だからプレイ中は、乙女ゲームの乙女の恋愛とかは正直どうでもよかった)


 でも、乙女なゲームの分際でなぜかダンジョンがこっていたので、はまってしまった(それで、一人も攻略対象を攻略しないまま、ダンジョン踏破率が百パーセントになるという開発者もびっくりな状況に)。


 とても楽しかった。本来想定された楽しみ方ではなかっただろうが。


 満足した私は、そのゲームにそれ以上手を付ける事なく、大切に机の引き出しの奥で保管していたのだったが。


 まさか、そんな「ムーン・クレイドル」の世界に転生してしまうとは。


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