第6話

刀夜は、また放課後に広場で剣を振っていた。そして、思いついた。

急いで刀夜は学校に戻り、教員室へと向かった。本館の二階にある教員室、その中へと入り、二年の担当教員の場所へと向かった。


「先生!薙先生!僕に、剣を教えてください!」


周りの教員は、驚いた顔で刀夜を見たが、薙先生は違った。


「外で話そう」


薙先生は、開いていたノートパソコンを閉じて、刀夜と教員室の外の、場所に出た。


「まあ座れ」


「失礼します。」


「単刀直入に言おう。私は、刀夜は私に頼みに来るだろうと思っていた。そして、私は、その頼みを受けようと思っていた」


「本当ですか!ありがとうご…」


「ただし!」

薙先生が刀夜の言葉を断ち切るように話した。


「勝てなかった時は、刀夜、お前はそれなりのことをしてもらうぞ。」

と先生は意地悪く笑いながら言った。


「分かりました。その時はその時です。ぜひ、よろしくお願いします!」


「そうと決まれば!刀夜、第二試技場で待っててくれ。」

と薙先生は言い、教員室へと急いで戻って行った。


「なんだ、すごいやる気だな」

薙先生に対してそう思いつつも、刀夜は、木剣を持って急ぎ足で試技場へ向かった。


刀夜が着いてから五分後、薙先生が木剣を持ってきた。


「剣を持つのは久しぶりだから、ちょっと体を慣らすかな。」

と言い、先生が剣を構えると、ただならぬ覇気を感じた。先生は素振りを終えると、軽く手合わせをしようと言い出した。


「まずは、お前の実力をこの剣で見たいからな。どっからでも来い!」


刀夜は、木剣を構えた。

その直後、先手の初撃を与えるため先生との間合いを詰めた。

先生の脇腹に攻撃を叩き込む。しかし、いとも簡単に剣で防がれてしまった。


「ふっ、読みやすいな。ほら、もっと来い!」


カンッ カンッ


木剣の当たる音が響く。


「(くそっ、なんで当たらない!)」


「お前の剣術は荒すぎる。もっと繊細に、一打一打に意味を持て」


一打一打に意味を…。


「今度は私からだ!」


薙先生は、目にも止まらぬ速さで刀夜へ連続攻撃をする。

最初の数回はなんとか受け止めれたものの、その後は、まともに攻撃を食らってしまった。


「はぁ、はぁ…」


「まず、攻めのときだ。闇雲に斬り込んでも仕方がない。相手の隙を見つけ、間髪入れずそこに攻撃する。自分の攻撃が通ると相手の隙が生まれやすくなる。そこにも斬り込め。それの繰り返しだが、いずれ反撃が来る。相手の剣も気にしつつ攻撃をすることで反撃も受けることが出来る。まあ常識だが忘れているやつがほとんどだな」


「なるほど、確かに型に囚われるあまり、基本を僕は忘れていました」


「あとは、限界を超えた集中だ。それはなかなか難しいぞ!今日これ以上やっても仕方がないから、明日から本腰入れてやるからな」


「ありがとうございました!これからよろしくお願いします」


刀夜は、少し残り自分の動きを見直すことにした。薙先生から言われたことと併せて、細かい動作を直した。そして三十分ほど練習してから寮に帰った。

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