第4話

刀夜は、得意の速攻に加え、回転斬りという技を使った。これは通常、敵に囲まれた時に使う技だ。

前方の敵、六体全て斬ったが、敵は煙のように消えた。しかし、刀夜は分かっていた。

後ろだ!


キィーンッ


刃と刃の当たった音が響く。

刀夜は、敵の驚いた表情を見逃さなかった。

よろめいた敵に、一気に二連撃を叩き込む。

敵は地面に倒れ、血溜まりが出来た。


女の子は刀夜が戦っている間に、シュヴァリエをサポートしている警備隊に連絡していたようで、すぐに警備隊が来た。


「怪我はありませんか、草刈君。あなたが居合わせてくれてよかった。感謝します!」


警備隊員は、刀夜の名を知っていた。


「たまたま剣を持っていたので。良かったです、彼女に何も無くて。奴は一体…」


「残念ながら、我々にも分かりません。あの者が一人でやったのか、共犯者がいるのか。いずれにせよ警戒は厳重にします。草刈君も気をつけて」


男は、警備隊の中の二人に抱えられ、その後、車で輸送された。


「本当にありがとうございました!草刈先輩ですよね。先輩がいなかったら今頃どうなっていたか…。本当に助けて頂いて感謝してもしきれないです!また今度改めてお礼させてください!」


シュヴァリエの制服を着た、黒髪ショートカットの小柄なその女の子は刀夜に感謝をした。


「君が無事だっただけで十分だよ。こんなところを、女の子一人で歩くのは危険だし、剣を持ってないんだったら尚更だ。今度からは気をつけろよ」


「はい、すみませんでした。」


女の子は事情聴取のため、残っていた警備隊と近くの警備隊の施設へ行った。


相手はそこまで強くなかったし、切り札も使わずに済んだ。

しかし、今はこの場にいないとしても、まだ仲間がいるに違いない。

不穏な空気が、シュヴァリエを中心に広がっているのを、刀夜は感じた。

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