第2話
目を開けるとそこには薙先生がいた。
「流石の一言、それに尽きる」
「ありがとうございます。先生のおかげです」
「そうか。今日はゆっくり休むといい。明日は大事な話がある」
そう言って先生は部屋を出ていった。
大事な話か、まあ近衛兵に関する話だろう。
刀夜はまた横になり、まだ戦いの跡が残るノヴァを見つめながら考えた。ノヴァを使って五年。もうそろそろ替え時か。今度の休みにでも新しい剣を作りに行くか。
次の日、刀夜と伊達翔は対面した。集中治療によって傷口は塞がっていたが、まだお互いに戦いの痕が残っていた。
先に口を開いたのは伊達だった。
「今まで君を見くびっていたようだ。すまない。あれほどの力があったとは、本当に知らなかった…」
「いいですよ。あなたも流石でしたね。」
許せないという気持ちはもはや微塵もなかった。
伊達はうつむき、静かに、ありがとうと言い、彼の担任と部屋を出ていった。
隣にいた薙先生が俺の正面に移動し話し始めた。
「刀夜、君に話がある。君はまだ二年生だ。しかしながら王家へ行く権利を獲得してしまった以上行くしかない。校長は特例として次の春から王都へ行けるよう手配してくださった。それでいいか?」
刀夜は即答した。
「はい、喜んでお受けします。」
卒業が一年早くなってしまったな。まあ願ってもなかったことだ。
早く王都へ行きたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます