第29話 真紅の魔眼

永劫学園理事長室は学園の最上階にあり、魔法セキュリティシステムによって何重にも施されている。しかし、海斗は何もせずともそのセキュリティが開いていく。

(海斗) 「なんだこれ。すごい魔法具でそれも詠唱させているのも古代魔法の1つで構築されているなんてやっぱりこの学園はすごいや。」と呟いていると、あっという間に理事長室についた。

ドアを3回ノックし、

(海斗) 「永劫学園Sクラス1年 カイト・アマツバ はいります。」

(アルテマ) 「はーい、どうぞ。」

軽い感じで出迎えられた海斗は少し困惑したが、ドアを開け前を見た瞬間。アルテマの両目は琥珀色になっていたのだ。入学式の時は普通の目の色だったため偽装を施していたのだろう。


(アルテマ) 「ようこそ、真紅の魔眼を持ちしものよ。」

(海斗) 「なぜ、貴方は私が魔眼を持っていると分かったのですか?」率直に聞くと、

(アルテマ) 「実は、私も魔眼をもっているのだよ。この目は真琥の魔眼(未来視)未来を読むことが出来る魔眼でね。今年の1年生に魔眼を持つ子、聖剣を手にするものなどが見えてね。それで魔力量、魔法量を一定のレベルの子にしかわからないように設定して大聖堂に行ったのだよ。そしたら、かいとくんが反応したというわけでね。だから、偽装したまま魔眼を発動したってわけでね。びっくりしたと思うが、まぁまぁ座ってくれ。」急に話をされてびっくりしたが海斗は理事長室のソファーに座った。

(アルテマ) 「それでだ、真紅の魔眼の持ち主と会うのは初めてなんだ!見して貰えないだろうか。」

そう言われたので、海斗は左目の眼帯をはずし魔眼を発動した。

(アルテマ) 「なんと、こんなにも美しい真紅の魔眼を見たのははじめてだ。そして、片方だけというのも新しい事例だ。」

(海斗) 「やはり、片目だけというのは珍しいのでしょうか??」

(アルテマ) 「とても珍しいことでしょう。魔眼は古代から伝わる目にかけられた呪いのようなもの。今となっては希少性と強さがあるため一般に認知されるようになってきたが基本は両目が開眼する形か与えられる形の2パターンしかないのだよ。しかし、片方だけ開眼となると何年かは分からないが右目も開眼する時が必ず来るでしょう。」

(海斗) 「そうなんですか。それはやはり真紅の魔眼なのでしょうか?」

(アルテマ) 「それは私にも分からない。これは前例がないことだからね。すまないね。」

(海斗) 「いえいえ!全然、困らしてしまってすみません。それともう1つ聖剣を手にする子というのはどなたが見えたのでしょうか?」

(アルテマ) 「それは学園の楽しみが消える可能性があるからね。時がたてばわかるよ。楽しみに待っていなさい。」

(海斗) 「そうですか。では、僕はこの辺で失礼致します。」

(アルテマ) 「カイトくん。君の魔眼はとても強いものだ、口外するのは控えるようにした方がいいよ。今日はありがとうねこんな老人に付き合ってもらって。」

(海斗) 「いえいえ、こちらこそありがとうございます。精進してまいります。失礼致します。」


そうすると海斗はその場を去っていった。


(アルテマ) 「彼が真紅の魔眼もち聖剣使いか。これは魔力適正陣営と魔法適性陣営の……。」



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