誰だって

誰だって、泣きたくなる時がある。

いまは、彼女がそばに居てくれている。

「ねえ」

ひとしきり泣いた私は、彼女に訊いた。

「今夜、寒いかな」

彼女は首をふった。

「ううん。寒くないよ。寒かったら、私が一緒に寝るから」

それだけいって、彼女はまたなにもいわなくなった。

まだ、手を握ってくれている。

気がつくと、好きな人のぬくもりが私を夢へと導いていた。

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