夜
「ねえ」
彼女が、私を抱きしめていた。
「あなたのことが好き」
「……、うん。私も」
どれくらい、抱きしめているのだろう。
「帰らなくていいの」
彼女に訊いてみる。
「まだ、いいかな」
「……、そっか」
「今日、あなたの家に泊まってもいい?」
「いいの?」
「今日は、なんだか帰りたくない」
ぎゅっと、彼女が私を抱きしめた。
彼女のお見合い相手は、なかなかハンサムらしい。
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