白い息

正門。

はあ、と白い息を吐く。

「おまたせ」

彼女はそういった。

「……、遅刻」

「いいじゃん、五分くらい」

ぷい、と横を向く。

「ゴメンゴメン。アイスでもおごるからさ」

「ホント?」

「ホントホント。私が嘘ついたことある?」

「それなら、許す」

「ありがと。じゃあ、いこ。いい店知ってるんだ」

二人で歩き出す。

まだ、手はつなげない。

今は彼女の隣に居られることが、嬉しかった。

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