第16話
もう10年近く飲んでいた精神安定剤は、環境の変化と誠との関係が続いていることもあり一番小さいミリ数で済んでいた。
そこで凛は、ここまで少ない量で安定しているなら断薬しても大丈夫なはずと、断薬に向けて心の決意をする理由を探しては足していった。
そして断薬を決行する。3日ほどは良かったが、4日目から不眠が現れた。それでも薬を飲む気にはなれず、これを乗り越えれば断薬できると信じて耐えた。
5日目から吐き気が始まり、ご飯が食べられなくなった。食べてもないのに吐いてしまう、何とか食べてもすぐに吐いてしまい、急激にやせ細っていく姿を見て職場の上司からも心配される程だった。
それでも凛は誠のことを想い、いつか会えるときに健康な自分で居たいとただその一心で耐えることを選んだ。
その間ももちろん誠にはTwitterで体調の報告をし、安心してね。と伝えていた。体は悲鳴を上げていたが、心は明るい未来に想いを馳せてただ耐え忍んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます