第13話

凛と誠の話は、凛の一方的なツイートで成り立っている。


だから、何もしていない時は凛は流行りの歌の歌詞の好きなフレーズやタイトルをツイートして、そこから話を膨らませた。


「ひげだんのイエスタデイ。誠は、誰も傷つけないためにタイミングを見てるの?だから数字だけでのやりとりなの?」 3。

「誰も傷つかないタイミングが来たら直接連絡してくれるの?」 3。

「その為の準備をしているの?」 3。

「その準備はそろそろ終わるの?」 2。


もう新年の雰囲気も終わり、季節は春になっていた。桜は風に吹かれて葉桜になり、椿の花が咲こうとしていた。まだ朝晩は寒いが、昼は太陽が暑い。


これだけ長い間やりとりをしていて、いまだに誠の姿を直接見たことが無い。

それでも凛はこの幸せには先があると信じて毎日のツイートを続けていた。

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