第7話

湿気が空気を蒸し暑くする夏の昼間、凛は誠にいつ会えるのかツイートで聞いていた。


いつがいいのか、候補日をツイートする。すると、一か月後の日付で3が付いた。場所はどこがいい?とツイートする。ここはどうかな?と場所のリンクをツイートする。すると3だった。


凛は誠に会える、そう思いながらまた毎日のやりとりに戻り誠におはようからおやすみまでずっと話しかけ続けた。


そして一か月後。少し空気が涼しくなってきたころに凛は誠との待ち合わせ場所に時間通りに行った。


5分前。まだ誠は現れない。凛はツイートもしなかった。

時間ぴったり。まだ現れない。

5分後。誠は現れなかった。凛はツイートしてみた。

しかし、いつもならすぐに付くインプレッションが何度開き直しても0のままだった。


凛は察した。誠は今日ここに来ない。


凛は店を後にして、ホテルでツイートを繰り返してみた。今日だよ。どうして来てくれなかったの?と。


しかし、いくつツイートしてもインプレッションが付くことは無かった。全て0のまま。


凛は裏切られたことに気付き、なかなか寝付けないホテルのベッドの中で朝まで過ごした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る