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23日

毎月この日になると感じる人間の不思議

知りたいものは知れなくて

知りたくないのは嫌でも思い知る

視覚だけでなく、嗅覚·聴覚·味覚·触覚。もっと言えば五感以外の感覚。

私は、あの笑顔と一緒に、生温い何かを浴びた記憶が一緒にある。楽しいようで怖い。生きてるようで死んでる感覚が、心から離れなくなった。真逆の感情が伴う時、人はグレーゾーンを失うと知った。

おばあちゃんが亡くなった直後から本能剥き出しの醜さが、この家を埋め尽くした。

おばあちゃんは薄っぺらいお札に変わり、皺でくしゃくしゃなあたたかさより、皺ひとつない冷たい紙切れを自分のものにしようと必死な姿を。

ご飯も味気なく、出来合いの惣菜がテーブルに置いてある日が増え、誰も笑わなくなった。

白みをおびた赤…

何かを捨てた者が持つ内々の興奮が、無を装う皮膚を突き破ってる色。

忘れたくないのに忘れ去りたい日になった事を私は忘れられない。

見た目上は、折り合いがついたはずなのに、それからの日々は靄がかかっていたみたいな時が過ぎた。

私は思う。

生きる死ぬ。それ以外に、好き·嫌いとか感情なんて単純で簡単でいい。と…

普通なんて言葉は一番複雑だと思う。

○○が好きだから生きる·○○が好きだけど死ぬ

○○が嫌いだけど生きる·○○が嫌いだから死ぬ

これも難しい…

意味合いが全然違う…

人間は結局曖昧で、その曖昧さの中で生きてるのかな?

嫌って言えない世の中を無理に笑って生きて、憎んで。そしてまた新しい日がやって来て、嫌って言えた自分が本当に笑ってる時を望んで生きてるのかな?

難しい…。


私はいつから生きる事を諦めたのだろう


生きていても、もう笑えないと悟ったあの時、私からグレーが消えた。

ボールペンの文字より、塗りつぶされた部分の方が力強く見える不思議。


アレは心にも紙にも書いた。

誰にも塗りつぶされないよう、見ることの無い明日に向けて。

少しずつ消していくか…。私が居た跡を。


真優?真優ー?



気のせいか


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