異世界新生活

第11話 おとぎ話 めがみさまとおじいさん

むかしむかし あるところに きれいなみずうみが ありました。

みずうみには めがみさまが すんでいました。

あるひ めがみさまは たいせつなものを みずうみに おとしてしまいました。

そこへ おじいさんが とおりかかりました。

めがみさまが いいました。

「そこの おじいさん。

みずうみに たいせつなものを おとしてしまいました。

とても こまっています。

わたしの かわりに たいせつなものを ひろってきてもらえませんか?」

おじいさんは いいました。

「めがみさま。わたしは およげません。

だから とりにいくことは できません。

でも わたしは つりが とくいです。

めがみさまの たいせつなものを みごとに つってみせましょう」

めがみさまは いいました。

「なんて たのもしい。

もしも わたしの たいせつなものを つりあげたら あなたの のぞみを なんでもかなえましょう」

おじいさんは いいました。

「わかった、やってみよう・・・」

しばらくすると おじいさんは おおきな さかなを つりあげました。

おおきな さかなは おかに あがると きれいに ひかる つるぎを はきだしました。

めがみさまは いいました。

「その つるぎが わたしが おとした たいせつなものです。

おじいさん ありがとうございました。

なんでものぞみを かなえましょう。

さあ いってください」

おじいさんは いいました。

「わたしは めがみさまが こまっているから てつだっただけです。

のぞみなんて いりません」

めがみさまは いいました。

「だったら その つるぎを さしあげましょう。

その つるぎで まおうを たおしてくれませんか?」

おじいさんは いいました。

「つるぎは うれしいのですが わたしは みてのとおりの おじいさんです。

まおうを たおすなんて できません」

めがみさまは いいました。

「だいじょうぶですよ」

めがみさまは りょうてを あげて ひかりを あつめました。

ひかりは おじいさんを つつみました。

すると おじいさんは げんきな わかものの すがたに なりました。

めがみさまは いいました。

「あなたには これも さしあげましょう」

めがみさまが ゆびを さすと しろいうまが やってきました。

めがみさまは いいました。

「このうまに のって おひさまが あがるほうへ 1000にち はしると そこに まおうが います。

そこで まおうを たおしてきてください」

わかものに なった おじいさんは いいました。

「わかった、やってみよう・・・」

わかものに なった おじいさんは おひさまが のぼるほうへ しろいうまに のっていきました。

1000かいの ひると 1000かいの よるを こえたところに おおきな たにが ありました。

わかものに なった おじいさんは いいました。

「ここに まおうが いるんだな。

さっそく たおしてこよう」

わかものに なった おじいさんは まおうを やっつけました。

わかものに なった おじいさんと しろい うまは また1000かいの ひると 1000かいの よるを こえて こんどは おひさまの しずむほうへ いき みずうみに もどってきました。

めがみさまは いいました。

「おじいさん ありがとうございました。

おれいに おうさまに してあげましょう」

わかものに なった おじいさんは きれいな みずうみの となりに おしろを たてて すえながく しあわせに くらしました。

めでたし めでたし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る