めもりのめもりのめ

ナインとイレブンの間は無限大

間を歩いても疲れて汗が出て

しまいには汗のほうが

体より重くなっている

僕は生きた 生きたミイラ


歩くのをやめると世界が乾く

歩いていくと僕が乾く

どうしようもねえじゃん

止まろ、止まろ


後にも先にも 消失点が見える

この地面の反りは まぶたと同じくらい?

手元には透明な定規が

人工の煌めきを見せている

僕は定規をまっすぐ並べて

直角がずれないよう並べて並べて

たまに砂の塊を喰って

地面をならしたり

髪の毛の塩水をしぼりとって

天然の井戸を作ったり

工夫と趣向をいっぱいこらして

変な直線を描いていました

めもりは全然足りなくて

めもりのめもりも足りなくて

めもりのめもりのめもりのめもりを

あなたにもらいたいな、なんて


どうでもいいんだけどね!

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1st Album『じりじり』 荒波一真 @Kazuma_Q

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