第8話
「あわわ!! ぼ……僕はその」
「怪しい奴だ」
男は問答無用で僕の襟首を掴み持ち上げた。
そのまま部屋へ連れ込まれる。
マシンガンを構えたギャング達に囲まれてハチの巣に……と思いきや、部屋の中では、大型ディスプレイの前で寛いでいた井上さんが、ぽかんとした顔でこっちを見ていた。
「じいちゃん。こいつが立ち聞きしていた」
じいちゃん? という事はこのゴリラ男は井上さんの孫なのか?
「芳雄。その人はお客さんだ。すぐに降ろしてあげなさい」
ゴリラ男は素直に僕を降ろした。
「井上さん!! 今、この部屋から銃声が」
「銃声? ハハハ。これだよ」
井上さんは大型ディスプレイを指さす。
ディスプレイにはこの前の上映会で見た人形劇『のっそりへちま島』が映っていた。
「さっき銃撃のシーンがあったから、それを聞いたのだろう」
「え? そうだったんですか?」
「ちょうどいい。君も見て行ってくれ」
「はあ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます