第4話 エピローグ マ・リアイズ
両腕に女神の刺青がある勇者が魔王を倒した。
首から上を失った魔王の体は、玉座からズルりと倒れる。
魔王の配下として生まれた魔物達は王の死と共に姿を消した。
コルセイア王国は魔王に勝ったのだ。
「ここに勇者マウダへの感謝を込めて、マウダの像を建立する」
王国の首都にある大きな玄関口ともいえる憩いの広場から、国王コルースの声が響き渡った。
「うおーーーーーーーーーーーー!」
民衆がの歓喜が地鳴りとなり首都を揺らした。
国王の後ろで護衛として控えていた私は、国民の笑顔に涙があふれて止まらなかった。
あの日、あの一瞬で魔王は倒された。
勇者は魔王を倒すとすぐに消えてしまい、話すこともできなかった。
彼の名は……。
マウダ。
プロバスケットボール選手。
召喚した私が分かるのは、たったこれだけだった。
プロバスケットボール選手とはいったい何か?
私には分からないけど。
「おい!オニッズこの後はどうする?」
「もちろんバスケでしょ!」
「ザララン達のチームに今日こそ勝つぞ!」
楽しそうに話す子供達の声が私には聞こえてくる。
今、王国は私が発案したバスケットボールが大ブームだ。
勇者マウダが玉を使って、魔王を倒した攻撃をヒントに私が考えたのだ。
「なぜか頭に浮かんだのよね。あの玉を使った競技が……。」
「マ・リアイズ宮廷魔導士長様、なにか言いましたか?」
私の独り言を聞いた、隠密部隊長が声をかけてきたのを私は微笑みで返した。
「今日も王国は平和ですね」
FIN
俺のフリースローが魔王を討伐してしまったんだが。 真理愛豆47 @marieyes47
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