第2話召喚士マ・リアイズ
恐怖の魔王が我らの愛する王国『コルセイア』に侵攻を開始してから何年が過ぎていったのだろうか。
大量の魔物と、それを指揮する十二の四天王? 暴虐のかぎりの恐怖と沢山の命が日々散らされている。
この疲弊した王国に起死回生の力を求めた国王であるコル―スは、古の勇者召喚術を計画すると発表した。
そして私、マ・リアイズこそが召喚士として神託により選ばれたのは二ヵ月前の事だ。
「マ・リアイズ殿! 時間を稼ぎます、すぐに召喚の準備に入ってください」
王国最強の隠密部隊を指揮する隊長から声がかかった!
ぶるっ。
一瞬身震いをしつつも私は勇者召喚の準備に入る。
絶対に負けられない戦がここにある。やっとの思いで潜入した魔王城!
もし失敗したら次は潜入すらできないであろう。
私は隠密部隊の数人と共に、漬物が入った樽に隠れて潜入したのだ。
「だいぶ漬物臭いけど……。召喚の儀式に問題はありません」
救世主となる勇者を召喚する為に私は、朝から晩まで寝る間も惜しんで修行にあけくれた。
召喚に必要なのは、神託を受けた召喚の巫女が唱える呪文と召喚の舞!
この二つが必要なのだ。
「ごっご、びこ、ごっご、びこ」
召喚に必要な呪文。まったく意味も発音も分からず何度も何度も唱えてはを繰り返した呪文。
パンパン、パパパン
パンパン、パパパン
神託で頭に流れて情報を元にして作成した、舞に必要なハリーセンという神具。
リズムが重要らしく、こちらも何度も何度も叩いて叩いてを繰り返した舞の修練。
眼前の魔王! 襲い来る魔物! 食い止める隠密部隊!!
荒くなる自分の呼吸。意識が朦朧としてきた。
でも舞と呪文をやめることはできない!!
その時だった!!
その時!歴史は動いたのだ!
まばゆい光とともに! 両腕に女神の刺青のある男が現れた!
それはまさに刹那! 朦朧とする意識が吹っ飛ぶ!
「なっ! あの男が勇者?」
「ゴッドマウダ!メテオズバッと」
私の呟きと勇者の呟きは同時だった。
ぐしゃっ……。
召喚された男が放った彗星!!が魔王の首を落としたのだった。
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