俺のフリースローが魔王を討伐してしまったんだが。

真理愛豆47

第1話バスケット選手マウダ

 白熱した試合もいよいよ残り3秒!

 いま俺は横濱にあるプロバスケットボールチームに所属している。


 常に下位を定位置にしているチーム「横濱ビコルス」に、勝利をもたらす為に呼ばれた男!


 俺の名は、マウダ。


 リーグ優勝を何度も経験している強豪チーム「アルバイト東京」との試合も69対70、残り3秒だ!

 俺は相手の無理なディフェンスからファールを奪うとフリースローをゲットする。


 会場ではアルバイト東京戦での初勝利を信じ、祈り拝む横濱ブースターと、大きなブーイングで俺のシュートを邪魔する相手チームの東京ブースターで揺れている。


 俺は指先を舐め軽く湿らせると、一本目のフリースローを放つべく膝を落とした時だった!


 突然目の前が白い光で包まれた!


「なっ?なんだ!」


 目を開けていることができない俺の頭に機械的なアナウンスが流れる!!


(マウダへの異世界転移を確認。神との条約により[肉体強化][超肉体強化]を付与。マウダ本人の負けたくない?強い意識を確認。[ズバッとアタックを付与][超ズバッとアタックを付与] マウダ覚醒によりスキル統合[ゴッドマウダを獲得])


 唐突に流れてくる意味不明な日本語。

 俺はチェコ出身だから日本語はわからない。

 まぶしい光が消え、目を開けた時にはすでに俺は、フリースローの体制に入っていた!


「ゴッドマウダ!メテオズバッと」


 ボールを放った瞬間に無意識に叫んだ言葉と目の前の異様な光景に気がつくも、すでにそれは放たれていた!


 ゴゴゴゴゴゴー!

 俺の放ったバスケットボールが轟音と稲光をまとい!


 角の生えた異様な姿の男へと迫る!


「なっ?誰だ?えっ、俺、試合中じゃ?」


 そんな呟きと同時ぐらいだった。


 グシャ!


 スイカが潰れて飛び散るように、角の男の頭かぶっ飛んだ。


 そして俺は気がつくと試合会場へ戻っていたのだった。。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る