第76話 行き詰まり。
その日は、敢え無く寝落ち。それはそれでよかった。
下手に起きてても、京子のこと詩音ことが気になって寝れなかったろう。
テスト明け、そしてバイトなんだ程よく疲れている。そして詩音の家に行きキスをした。
そのことは朝からはいい。今日も朝からバイト、バイトを頑張らないと。
ふと、思う。最近バイトが楽しい。
楽しいのだが週5で学校からの週2のバイト。オレはいつ休むんだ?
まぁ、部活やってたら変わらんから出来るんだろう。
扉を開けると佐々木咲乃がスタンバイ。オレは小さくため息を漏らす。
コイツ正体バラさなかったら、オレはコイツを好きになってたろう。
端正な顔立ち、そんなのが気を引くのではない『好きな顔立ち』なんだ。
こういうのはなんだろ、遺伝子レベルで擦込まれた『好み』なのではないのか。
だが、如何せん性格に難がある。あるなんてもんじゃない。普段は全くなのだが、何かのボタンがあるのだろう。それを押すとすべてが終わる。
ふと見ると、いつも元気な咲乃が疲れた顔をしている『スルーだ、オレ』そう思うがついつい聞いた。
「―元気ないな、どうした」
「アレなんだ」
「あ…そうなんだ」
「ごめん、ウソ」
今のウソいるか?
これってアレだよな、いや『アレ』はアレじゃない、いや待て『アレ』から離れよう。紛らわしい。
代名詞なんていくらでもあるだろ。
これって、スランプの兆候じゃないか。書き手同士だからピーンとくる。この何とも言えない負のオーラ。
疲れたきってて、達成感のない横顔。
プロット書いて1万文字書き進めたが、ぱっとしないそんなことはある。
そんな時どうするか。小修正なんてのもありなんだけど、いっそなかったことにする方がスッキリする。
オレは『なかった派』なんだ。意外と諦めが早い。
正確には小修正の繰り返し作業、ツギハギ作業が大の苦手。
増築するなら建て直せ!そんな感じでやる。
損切りなんで意外にスッキリで前にすすめる。佐々木咲乃は今期日を切って新作の発表をしょうとしている。
きっとこの状況にハマってるのだろう。
書き直すと言ったがオレの場合もう一段思い切った行動に出るときがある。
プロット自体を諦める。
つまり、話自体のお蔵入りだ。進まない、ぱっとしないっていうのには何か理由があって、設定的に無理があるとか色々だ。
そこを進めても沼地にはまる。はまっても抜け出せる力がある書き手ならいいが、オレにはない。
書こうとしている内容に知識が不足してる時も難しい。
野球の話を書きたくてもダブルプレーすら知らなければ行き詰まるのは必至。
「
ファミレス・ナッシュビルの駐輪場にチャリンコを停めながらだ。
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