第27話 褒めて育てる系
『ぶっちゃけ、いる派?』
そう言って京子は思い切り『ぶっちゃけた』あきらかに『いらねんじゃ、ね?』が含まれる。
答え出てるのになぜ『相談』という形式を取る?
確かにプロ作家でも『プロット書かない派』はいるらしいが、そこはプロ。
プロと同じことしてうまく行く保証はない。この理論から行くと『プロット書いたから』ってうまく行く保証はないのだが。
それでも、やっぱりうまく行く可能性は上がると言ってもいいのではと思う。
「絶対に『いる派』だよ」
オレは言い切った。
京子は『あぁ』面倒くさいスイッチ押したかなぁ、そんな声を漏らす。押した以上は付き合ってもらう。
「京ちゃん、今メモ取ってるよな。付箋に」
「うん、アレは役に立つよ」
「アレもひとつの『プロット』かなぁと思う」
「あっ、そうなんだ〜」
京子の声のトークが上がる。実はこれは作戦だ。
あきらかに『プロット書きたくない!』そんな雰囲気がただ漏れの相手に『プロット信者』の意見は響かない。
まずは出来ている所を褒める。そして『プロット』の初歩は出来ていることに気づかせ、
『プロット』いるかも、便利かもに発展させる。
「今『ネタ』として付箋に書いてるでしょ、忘れないように」
「うん、亮ちゃんに言われたよね」
「それをノートに貼ってるよな、分類とかは?」
「一応してる、笑えるネタ、悲しいネタ、うれしいネタとかページ変えて」
「それを繋げて、矢印引きたり補足説明付けたら『プロット』だよ」
「えっ、あっそうなんだ。じゃあもう少し頑張ったら」
「私プロットやってますが?になる」
「えっ、それかっこいい。言ってみたい」
「あと、1話ごとを意識するだけ。簡単だよ、実際知らず知らずしてるんだよ」
「そうかなぁ、そうだとうれしいなぁ」
ちょっと『盛りすぎ』てる感は否めないがムリヤリさせるより達成する可能性は高いはず。
「亮ちゃんは何に書いてんの、ノート?」
「ノートとルーズリーフ。異世界の方は設定の付け足しがあったりだから、ルーズリーフ。書きやすいのはノートだけど」
「あのさ、テンション上げるためにノートとかボールペン買いたいなぁ」
「それいいな、」
「テスト終わったら買いに行こ、一緒」
ビデオトークの京ちゃんはクネクネして、喜んでる。
誰だ。北町京子は地味で目立たなくて、存在感皆無だなんて言うやつは。めっちゃかわいいじゃないか。
楽しく京子とお買い物するためにはテスト勉強。それと期間中の書き置きは必須だよな、頑張ろう。頑張って京子とお出かけしたい。
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