第5話 自分を自由にしてあげよう
わたしは長いこと、自分の感情に蓋をし、
大事な感情たちを心の奥の奥のずーっと奥に
押し込めてきてしまった。
まるでそこにわたしは存在していないかの
ように、「わたし」を無視しているのと
同じように扱ってきた。
そうすることに何の意味があったのか。
他人の心だけにフォーカスして、
自分を見ないなんて。
そんなんじゃ、辛いし、楽しくないし、
幸福感なんて味わえるはずがない。
慣れない土地、
慣れない他人の家の習慣・価値観を
押し付けられる日々。
それにはっきり「NO」を言えない弱い自分。
わたしがこの何十年、我慢をし、優先してきたものは「夫とその両親」だった。
さらに自分の子どものことも加わり、
「自分のことは後回し」
「自分の優先順位は一番最後。」
「とにかく最後。」
ということが日々積み重なって、
習慣になって、
気がつけば、その価値観がわたしの中に定着し、何の疑いもなく無意識にそうしてしまうようになってしまっていた。
そのことに、
振り返る時間もなく、
立ち止まって考えることもなく、
とにかく必死に走ってきてしまった。
自分を蔑ろにしてまでする必要のある
「我慢」だったのだろうか。
誰のための?
何のために?
わたし自身を守って、幸せにしてあげられるのは他の誰でもない「わたし自身」。
してきた「我慢」は、わたしのためではない。
その我慢をすることで、夫・義理の両親との衝突を避け、上辺だけの平和を保つためだけの我慢だったように思う。
いま、ここへ来てようやく「わたしの声」をちゃんと聞いて、どうすることがわたしの幸せなのか。
やっと気がついた。
長いことここまできてしまったのは、
そのときは、そうすることが大事だと思っていたのか、
きっとそうしないと生きてこられなかったんだと思う。
過去のわたしには、いろんな経験と知識と
気づきが足りてなくて、自分の感情を押さえ込むことでしか生きてこられなかったんだと思う。
わたしは、わたしに言ってあげよう。
「つらかったね。」
「よくがんばったね。」
「長い間、閉じ込めて置いてけぼりにしたりしてごめんね。」
「おかえり。もう一人にしないよ。」
自分の夢や目標を達成するための、
「自分軸」の我慢であったなら、
きっとわたしの心は苦労しながらも、
ちゃんと満たされて前に進むことができていたと思う。
ずっと「他人軸」で生きてきてしまったから、ネガティブな真っ黒い感情だけが残るし、辛かったんだ。
そこにわたしを満たすものはない。
だって「他人優先」なのだから。
自分の価値観で、自分の人生を生きてないのだから。
もうこんなに古くて、ぐちゃぐちゃして、
真っ暗な、居心地の悪い場所から
わたしを解放してあげたい。
今日、この瞬間から、新しい年に向けて、
この感情、考え方、価値観、優先順位、
すべてを捨てよう。
文字にして、ここへ置いて行こう。
わたしが勝手に自分で自分を縛りつけていた見えないものを断ち切ろう。
わたしが、いまこの瞬間からやるべきことは、「自分軸」であること。
わたし自身に忠実であること。
わたしが好きか、嫌いか。
わたしがやりたいか、やりたくないか。
わたしがそうしたいか、したくないか。
わたしは、わたしの気持ちのひとつひとつに誠実に正直にやっていく。
そうもいかない時があるかもしれない。
そのときは、「わたし」を忘れないように、
ひとつずつ丁寧に悩んでやっていこう。
過去のわたしに「いままでありがとう。」
と心込めて。
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