出囃子

57.秀吉豊臣のすべらない話・後半戦

 わたしはいま、大阪城の大広間の畳の部屋に座ってます。

 その部屋には、なんやたくさんのお客さんがおって、私は五人のおっさんと一緒に、輪になって座っています。


 ちょっと高い場所に座っている、ちぃちゃいゴリラみたいなおっさんが「うぉっほん」とせきばらいをしました。


 ちぃちゃいゴリラみたいなおっさんは、金色の服を着ています。バカ殿様なんやと思います。


 ちぃちゃいゴリラみたいなバカ殿のおっさんは、物凄いおおきな声を張り上げました。


「秀吉豊臣のすべらない話! 後半戦!」


 どっかで聞いたことある曲が、笛とつつみと三味線で演奏されて、わたしは、ニコニコしながら拍手をします。


 わたしは、すべらない話やなくて「結果発表!」みたいな言い方だなと思いながら拍手をしています。


「じゃ、早速いこか!」


 ちっちゃいゴリラみたいなバカ殿の「結果発表!」みたいなおっさんは、サイコロを持ちました。サイコロには、おっさん五人の名前と、わたしの名前が書かれています。


 サイコロで自分の名前が出た人は、すべらない話をします。


・・・サイコロは、てんてんと転がって、わたしの名前が書かれた目を出して止まりました。


「お! ソロリちゃんやん。」


「はい!」


 わたしは、ニコニコしながら返事をしました。元気に手をあげて、ニコニコしながら返事をしました。


 ・・・さて、なんの話をしようかな?

 

 面白かったら、ごほうびがもらえるみたいです。でもすべったら「熱湯風呂」です。罰ゲームで、リアルガチでアタマがアレな、熱湯風呂をやらされます。



 あ、自己紹介が遅くなりました。わたしはアイドルです。大阪のちょっと有名なアイドルグループでアイドルをやらしてもらってます。


 今は訳あって、戦国時代にタイムスリップしています。バナナですべってタイムスリップしたそうです。


 ななめ前にいる、背が高くて顔が長くて、鈴つきまくったシャラランしてる服を着た、策伝さくでんさんがそう言っていました。


 策伝さくでんさんはお坊さんです。ちょっと話が長くて、言うことが厳しいけど、おもろい人です。


 そして、タイムスリップして困っていたわたしを、助けてくれた、やさしい人です。


 せっかくなので、いまから「策伝さくでんさんと一緒に居候してるお寺で、一緒にダンスレッスンしたおくにさんと、その旦那さんの山三郎やまさぶろうさんの話」を、しようと思います。

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