50.キャーー〜ーーー〜!

 わたしとおくにさんが大阪城の前でPVを撮影してもらった、たった一曲だけ、センターをやらしてもらった曲を、大阪城の中で歌って踊り終わると、ものすごい拍手をもらいました。


 アイドルやらしてもらって、本当に嬉しいと思いました。昨日も、アイドルやらしてもらって、一番嬉しいと思ったけど、今日の方が断然嬉しい思いました。

 おくにさんと歌っておどれて、めっちゃ嬉しい思いました。


 わたしは、深々とおじぎをすると、チラッと後ろを見ました。布に覆われた熱湯風呂のセットから、ニュッと手が出てました。真っ赤に茹で上がった手は、大きく左右に振られてました。


 あかん、まだ熱すぎるんや・・・。


 もうちょっとだけ時間稼がんと、このままやと権兵衛ごんべえさん茹でダコや。


 わたしは、奥の手使うことにしました。使うことにしました。熱湯風呂のの前に、コンサートの使うことにしました。


 わたしは、ありったけの大きな声だして言いました。


「みんなー! 今日は来てくれて本当にありがとう!

 わたしは、このあと、後ろにある布ん中入るんやけど、まだまだわたしと、おおくにさんに会いたい人は、手拍子してください! おっきい手拍子してください!」 


 そう言うと、ちぃちゃいゴリラの関白かんぱくはんが、手拍子を初めてくれました。


 パン! パン!

 

 手拍子している関白かんぱくはんを見て、周りにおる人が慌てて手拍子始めました。


 パン! パン! パン!


 よっしゃ! こっからは時間の勝負や!


 わたしは、策伝さくでんさんを探しました。

 他の人より、頭ひとつ背が高い策伝さくでんさんはすぐに見つかりました。わたしは、手拍子しとる策伝さくでんさんに、「こっちきてください!」て、ジャスチャーしました。

 立派なマネージャーの策伝さくでんさんは、すぐに察して、こっちに走ってきました。


 パン! パン! パン! パン!


 わたしは、大きな手拍子を背中で聞きながら、大急ぎでおくにさんと一緒に、白い布「バサァ」言わして、熱湯風呂のセットの中入りました。


「ソロリちゃん、まだまだ時間が必要であろう!」


 真っ赤に茹で上がった手をフーフーさせながら、三成みつなりさんが言いました。


「もう一曲、やります!」


  パン! パン! パン! パン! パン!


 手拍子が続く中、白い布「バサァ」言わして、立派なマネージャーの策伝さくでんさんが、山三郎やまさぶろうさん連れて入ってきました。


策伝さくでんさん、服貸してください」


 わたしは、そう言いながら、策伝さくでんさんの服をはぎとり始めました。


「キャーー〜ーーー〜!」


 わたしが、叫ぶん無視して問答無用で策伝さくでんさんの服剥がしてると、凄腕バンドマンの山三郎やまさぶろうさんが、言いました。


「なるほど! をやるのですな!」


 山三郎やまさぶろうさんが、言うと同時に、おくにさんが服を脱ぎ始めました。


 パン! パン! パン! パン! パン! パン!


 拍手はどんどん大きくなって行きます。


「じゃ、わたしと、山三郎やまさぶろうさんは先に始めてるんで、準備できたらすぐに出てきてください」


 パン! パン! パン! パン! パン! パン! パン!


 わたしと、山三郎やまさぶろうさんは、白い布「バサァ」言わして、ファンのみんなが待ってるとこに戻って行きました。


 わたしは、ファンのみんなの鳴り止まない手拍子の中、ファンのみんなに負けないくらい大きな声を張り上げました。


「わたし、どこにでもいる茶屋の看板娘!」


 わたしが、セリフを叫ぶと、手拍子が「ピタッ」て鳴り止みました。


「昨日、茶屋に来た和尚さん、カッコよかったなーーー!

 あーぁ、もう一度会いたいなぁ・・・」


 そこまで言うと、白い布「バサァ」言わして、策伝さくでんさんの服をちょっと着崩した、おくにさん出てきました。


「キャーー〜ーーー〜!」


 わたしは、めちゃ黄色い声出しました。


 おくにさん、めっちゃカッコええ! めちゃくちゃカッコええ!!

 これ、絶対流行る! おくにさんは、天下一のトップスターになれる!! 

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