48.ラー油みたいな湯加減です。
「大丈夫です。そのハンカチ、
わたしは、
「さようか? いやぁかたじけない!」
と、ちょっと嬉しそうに言いました。なんや、プレゼントと勘違いしたみたいです。
わたしは、
・
・
・
「なるほど・・・つまりは、罪人が辱めを受けることで、みそぎをするのですな? 本当に生死を問われる必要はないと」
「そうです。熱がるところをお客さんに面白がって貰えばええんです」
「なるほど! つまりは、お客様が神様であろう?」
わたしは、
「そうです。死ぬほど熱くなくてもええんです。ギリギリ我慢できて、ちょっと派手に演技できるくらいがええんです。それでお客さん喜んでくれたらええんです」
「はたして、
・・・ホンマや。
わたしは、ついさっき、
「じゃあ、こうしましょう。めっちゃ熱いけど死ぬほどやなくて、でも、演技できんくらいめっちゃ熱い、めっちゃええ感じの湯加減!」
「なるほど! めっちゃ熱いけど命取られるほどではなく、でも、演技ができぬほどめっちゃ熱い、めっちゃええ感じの湯加減ですな!」
わたしは、三成さんと一緒に、ご飯にかけるラー油みたいな湯加減を、目指すことにしました。
「そこまで冷ますんには、どれくらいかかります?」
「そうですな。ちょうど茶の湯の頃合いの温度でござろう? さすれば、煮えたぎる湯からは四半刻といったところ・・・ううむ、熱湯風呂の儀には、少しだけ間に合いませぬな」
なんやまた四半刻出てきました。でも、ぐらぐら沸いた熱湯がお茶飲めるくらいに冷める時間なのはわかりました。鉄釜やから、急須で冷ますんより時間かかりそうってことも、わかりました・・・めっちゃようわかりました。
「ソロリちゃん、すまぬが先に、お
わたしは、
「そろそろ、
「はい!」
わたしは、元気よく答えました。右手をあげて、元気よく答えました。
わたしが、熱湯風呂のセットから出ようとすると、白い布「バサァ」言わして
「
向かって左の
「申し訳ござらぬ。いささか準備がおしてるゆえ、ソロリちゃんのややこ踊りと順番を入れ替えもうす」
向かって右の
「なんやとぉ! 絶対間に合わせ言うたやろぅが!」
めっちゃ怒ってる
めっちゃ怒っていた
「そりゃ
「それは、妙案にございます! 早速、
そう言うと、
わたしはニコニコしながら、
白い布「バサァ」言わして、熱湯風呂のセットから飛び出しました。
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