第32話
入学初日はトラップにハマってしまったが、二日目以降は友人二人のサポートもあり、困ることが激減した。
制服については、購買に置かれていたサンプルを買い上げることができたのでラッキーだった。
ただ、購買に教科書を発注したら「届くまで二週間かかります」とのことで、横の席のクリスティちゃん(俺の許婚)に教科書を見させてもらっていた。
なんか目線が合いそうになったら、エーツ大公家の息子とかいうモブの方を見たりするから、やっぱり嫌われてる気がする。
うーん。地味にショック……。
百人一首からパクった「ながながし夜を ひとりかも寝む」的なポエムを送ったのが事故ってたのだろうか……。
過去の自分をぶっ飛ばしてやりたい!
授業の科目は、語学・数学・芸術学・武芸・歴史学・神学などだった。
教科ごとの専科担任制を採用しているらしく、科目ごとに先生がかわるのだが、授業の進度はかなりのものだった。
なぜ貴族の子弟に家庭教師をつける風習があるのか、身をもって思い知りました。
これ、授業内容を踏まえて、入学前に相当準備をしていないと一瞬にして落ちこぼれるやつですわ……。
えっ?
俺は、ついていくのに必死ですが、なんとかついていけてます。
クソ実家の書架で、雨の日に読書をしていてよかった……。
文字もおぼつかない生徒が一定数いるのに、全力で板書をする先生とか昭和初期みたいでほんまにビビりますわ。
しかも、劣後する生徒を、万座の前で罵倒してつるし上げたり。
生徒個人の能力の問題というより、教育制度自体の欠陥のように思えてなりません。
教員免許や義務教育でレベル合わせをすることの重要性を肌で感じます。はい。
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いろいろ不満を覚えることはあったが、自分の身を辛うじて守ることに成功。
そんな王立学院での日々を送るうちに、ある学校行事の時期が到来した。
練武祭。
お互いの武芸を競いあうガチの祭典。
年に一度の学院を挙げてのイベントの時期がきたのだった。
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