第17話 初任務③

ナオとミナと話しているうちに、今回の任務の詳細を伝えてくれる、受付にいるルリと名乗る人が来た。


「みなさん、全員集まってますね。では、今回の任務をお伝えします。


最近、ロボリク町というところでの悪者の出現による事件が多発しているという、ご報告があり、その地域の悪者の退治をお願いします。予測される標的の数は3体です。


また、その3体に関して、可能な限り、殺さないでこちらに引き渡してくれるとありがたいです。ただし、ご自身の身の危険に関わる場合は生存の有無は問いません。


今回の任務完了による獲得ポイントは、お一人につき、3,000ポイントとなります。任務の遂行の完了を確認し次第、ポイントを振り込ませて頂きます。


任務に関する詳細は以上ですが、何かご質問などはありますか?」


とルリは俺たちに尋ねた。


すると、先程の2人が驚いた様子で


「ほんとに、3体捕まえるだけで3000ポイントも貰えるんですか?」


と改めて聞いた。


「はい。そうです。」


とルリが答えると、2人は顔を見合って、


「よっしゃ!当たりきたわ!」


と言った。


「当たり?なんでこんなにあいつら喜んでだ?」


と俺はナオに聞いた。


「ポイントはランクと順位が関係するからだろ。あと、3体で3,000ポイントは珍しいからな。そんなことも知らないのか?」


とナオは言った。


ポイントが高いナオがSランクなのは知ってはいたが、順位にもポイントが関係してくるのか。これくらいのことなら、ヒロはもっと詳しく教えてくれてもいいはずだ。

相変わらず、適当なヒロのとぼけた顔が目に浮かんだ。


「普通は、3体だったら、500ポイントにも満たないからね。」


とミナが言った。


「6倍も違うじゃん。つまり、この任務、簡単じゃないってことか?」


と俺が尋ねると


「そうなるね。

この任務のシステムってさ、難易度をその人のランクに合わせるために、ランクに応じて任務が割り当てされるんだよね。


もし、割り当てられたランクの人が出来なかったら、もっと上のランクに割り当てていって、遂行しにくいものほど、ポイントが上がっていくの。


だから、この任務のポイントも最初は500とかだったんだと思う。」


とミナが説明してくれた。


「じゃあ、3000ポイントになるのに何回か失敗しているってことか。」


と俺は言った。


「そういうこと。まぁ、Sランクのサンとナオがいる時点でそんな簡単にいく任務が来るわけないんだけどね。」


とミナが言った。


すると受付のルリが


「他に質問等ありますか?」


ナオは聞きたいことがあるらしく、ルリに質問をする。


「その3体に特徴とかありますか?」


とナオは聞いた。


「そこまで詳しい情報はないですが、なんだか、特殊な能力らしいです。申し訳ありませんが、これ以外はありません。」


とルリは申し訳なさそうに答えた。


「特殊か‥。特殊だとしたら、とりあえず火使いや水使い能力ではないはずだ。」


とナオが考えこんでいる。


すると、その様子を見たルリが


「他に質問はなさそうですね。では、さっそく、目的地に行き任務を遂行してきてください。幸運を祈ります。」


そう言ってルリはその場から去った。

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