夢の中で目覚める。

 長い長い永劫時間の中で、いくつもの。他ならぬ、最前線でその愚かしい姿を見ていた。

 剣を握り、騎士のような約束誓いを結んだ自分。

 否定され、それ故に気付けた約束過ち

 他にも、実に様々な出会いや別れ、後悔と享楽を感受している自分が

 自らが恐々と、意味の理解出来ない『蘇生魔法による根源の再起動』を数回重ね、次から次へと訪れた『厄災』や『勇者』、更には『神々の使徒』たちと刃を交えて、刃が重なる程に強くなっている。

 嗚呼、これほど無邪気に笑っている君に向けて、何をしてやれるのだろう。

 たった一つの理由で、あらゆる概念や未来を捻じ曲げてしまうような強さと覚悟。

 それらを持っていないからこそ、何度も同じ轍を踏んだのだ。

 だったら、踏み間違えないように歩いていこう。きっと、果てしなく遠い道のりだ。

 だがそれで良いのだ。今まで彼女が受けてきた痛みに比べれば、擦り傷にも値しない。

 次なる生は何度目か。それ分からなが取り敢えず───進もう。この悪路を。

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