第30話 諦めない心
『クリス』
もう何度目になるのか分かりません。
魔王の元へやってくる勇者様は、日に日にやつれていっているようでした。
それでも欠かさずに、「姫を返せ」と毎日ここへやってきます
一体、どんな執念が彼を動かしているのでしょう。
私は恐ろしくなりました。
「毎回対応するのが面倒だ」
何度か目になった頃。いい加減に魔王様が付き合いきれなくなったのかもしれません。
その日魔王様は、他の魔物達もひきつれて勇者様の元へ行きました。
魔王様からは大人しくしていろと言われてますが、私はどうしても気になったのでこっそり後をついていきます。
勇者様は魔王様に戦いを挑まれたようです。
しかし、今回も負けてしまったみたいです。
魔王様が何やら倒れた勇者様に向かって、愚痴を述べています。
けれど勇者様は聞く耳をもたずといったようで、しきりに攻撃しています。
これでは話になりません。
このまま膠着状態が続くのが良いはずありません。
私は直接、勇者様とお話するべきだと思いました。
一体何が目的なのか。
彼が執着している私が問いかければ答えてくれるかもしれないと思ったからです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます