第26話 魔王に拾われてしまいました
それから、どれくらい時間が経ったのでしょう。
目を覚ました私の目の前にいたのは、魔王でした。
私を閉じ込めた、あの魔王。
見回せば、私がいる場所は魔王城の牢屋でした。
こちらを見下ろす魔王は邪悪な笑みを浮かべています。
魔王が生きていた?
勇者様に倒されたはずなのに?
一体どうして。
混乱する私に魔王は、喋りかけてきます。
「くくくっ、魔王は核をつぶすか浄化せねば死なぬのだ。復活した俺に見つかるとは運が悪かったな。何があったか知らないが、この堅牢な地下には誰もたどりつけまい。おとなしくここで閉じ込められていろ」
普通だったら恐ろしくて震え上がるところだったでしょう。
けれど、私はその時はそう言うしかないと思ったのです。
思えば、魔王は命まではとらなかったのだから。
「助けてください魔王、いえ魔王様。というかむしろ私をここに置いてください。勇者様に命を狙われてるんです!」
「えっ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます