第12話 勇者の恋心
そして、クリスティーゼ姫は俺に、「嫌なら逃げても良いんですよ」と言ってくれたのだ。
「世界中の人々が貴方を悪く言ったとしても、私は貴方の味方でいます」
と、そう約束してくれた。
俺はその時、心の底から彼女を眩しく思った。
そして、彼女心の美しい、素敵な宝石のような人だ、とも思った。
だから手に入れようと、手に入れたいと思ったのだ。
彼女を手に入れるためなら、どんな困難な壁も打ち破れる気がした。
かなうなら、この腕の中にずっと抱いていたいとそう思った。
そこまで思ってやっと、彼女に惚れた事に気がついた。
だから、その王女クリスティーゼ姫が攫われた時はいてもたってもいられなかったし、魔王の元から救い出した時は喜びの感情が溢れんばかりの状態だった。
彼女以外の事など、何も考えられなくなった。
彼女が無事ならそれでいい。
彼女が幸せならそれでいい。
他には何も望むまい。
それこそが、俺の幸せ。
けれど、彼女が俺の事を愛していてくれたと分かったら、歯止めが効かなくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます