第8話 メイドのネロ
『ネロ』
私の名前はネロです。
アルケミシア王国の末の姫である、クリスティーゼ様のメイドをしています。
ある日、大切な国や民達を守るための、聖なる力を得た姫さまは、危険な場所に連れ去られてしまいました。
世界の破滅をもくろむ魔王によって。
そんな危険な存在に攫われてから、半年が経過。
私達は殺されていません。
いちおう生きてはいました。
聖女の力は、私達人類の切り札。
しかし逆を述べると、魔王の切り札でもあります。
おそらく、聖女さえ押さえておけば戦況はどうとでもなると思って、なめられているのでしょう。
魔王は、聖女に手出しできない代わりに、閉じ込めておくことで切り札を無力化してきたのです。
姫様と一緒に囚われてからも、魔王は頭を使ってこちらを妨害してきました。
希望をもたせず、絶望もさせず。
やけくそになって必死の抵抗をされないために、食事の量や住環境は、しっかりと計算されていました。
餓死しないほどの食べ物は、最低限提供していましたし、牢屋も汚くなり過ぎないように気を使っていたようです。
時々部下の魔物が嫌がらせを死に来ますが、それも命にかかわるものではありません、
王宮に勤めるにあたって、ある程度訓練を受けていた私は、そのような状況でも平静を保てましたが、しかし、なれない姫様にはきつかったよう。
魔王は、本当に絶秒なバランスをとっていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます