夢喰い

扉が開く。

恐る恐る,そちらの方向を見てみると

男の子が立っていた。

年齢は俺とほとんど変わらなさそうだが...

青い瞳。貼り付いた笑顔。

「あぁ。目覚めたんだね。」

その声は,聞いてると眠くなってしまいそうなくらい,優しく甘い声。

「はい。つい先程。もう一人の方はまだ眠っています。」

「それならよかった。ちょうどお腹が空いていてさ。」

舌舐りをし,ゆっくりとブランの元へ近づく男。

彼の前髪を避け,額に口づけをする。

え,何。何が起こっているんだ...?

男の口の動きから...何を食べていることはわかる。

「......ご馳走さま。」

また,ゆっくりと離れる。

弟の方を伺うと幸せそうな顔で眠っている。

もしかして

この人が...彼女の言っていた


"夢喰い"。

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