沈黙

「えっとですね...貴方達は研究所から少し離れた所で倒れていて,そこを私達が保護したんです。」

丁寧に一つ一つを話す。

俺達が怖がってしまわないようになのか,優しく笑って。

「あと...魘されてしまわないように,私のお友達が悪夢を食べてくれたんです。」

「へぇ...悪夢を食べt......え?」

今,この人,悪夢を食べてくれたって...どういうことだ。

彼女自身は何も感じていないのか可愛らしい笑顔で笑っている。

「待って,待ってくれ。悪夢を食べたってどういうことだ???」

「あ...急に食べたって言っても伝わりませんよね...私のお友達に夢喰いバクがいるんです。」

夢喰いバク......?そんな,お伽噺みたいな話があるか?いや,でも目の前にいる彼女も人魚だ。

「その...その方...後で連れてきますね。」

「えっ、あ、はい。」

.........

「.........」

「............」

暫く,沈黙が続いた。

気まずい。

何でもいいし誰でもいいからこの沈黙を破ってくれ。


ガチャッッ


その願いは,最悪の形で叶ってしまった。

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