変化

目覚めてから,世界は大きく変わっていた。

部屋にブランがいないことが多くなった。

帰ってきても,血だらけになって,粗末な手当をされて,いつも苦しそうだ。

始めの頃はそれを隠すように「大丈夫。」と笑って誤魔化していたが,今では笑ったり,泣いたりしなくなってしまった。

綺麗だった瞳は両目とも作り物に変わってしまい,髪色も黒髪からプラスチックのような金髪へ。

知っていた弟が変わっていく。

俺自身も,たまに部屋から連れ出される。

薬を射たれて,眠くなって,体の一部が変えられる。


「人」じゃ,なくなっていく。


このままじゃダメだ。

どうにかして,ここから逃げ出さなければ。


今日も君はここにいない。

次は...何を失うのか。

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